腕時計が動かない・止まってしまう原因とは?対処法と併せて専門店が徹底解説
精密機械である腕時計であっても、どうしても避けられないのが「止まる」というトラブル。このトラブルは、どのように慎重に使っていても不意に発生してしまうのです。
しかし、ユーザーによっては、腕時計が動かずに止まる原因に思い当たらない場合もあり、それによって大切に使っていくことに対してモチベーションを失ってしまうこともあります。
また、止まった状態の腕時計に対して、将来的な買取にも悪影響をするのではないかと懸念するユーザーもおられるかもしれません。そこで、今回は、腕時計が止まる原因について深く見ていくとともに、買取との関係についてもチェックしていきましょう。
時計が動かない・止まる考えうる原因とは?
電池切れや充電不足
まず、腕時計が止まる典型的な原因として、電池切れやモデルによっては充電不足が挙げられるでしょう。最近の腕時計に組み込まれている電池は非常に高い性能を持っていますが、それだけに突然止まる原因になりやすいことも事実です。
例えば、非常に高級な腕時計でも長時間使用していない場合、電池が切れやすくなることが一般的で、高級なモデルを持つユーザーの中には電池が無限に使用できるような錯覚に陥ってしまう場合もあります。
そのため、電池切れなどは非常に身近に起こる問題として認識することで、腕時計が急に止まることをかなり減らすことができるでしょう。
油切れ
腕時計は非常に精密なメカニズムを持つ一方で、長期運用の途中にて油切れが原因となり、内部に組み込まれた部品同士の不具合を引き起こすこともあります。
油切れは意外に頻繁に起こる問題であり、もともと部品はそれぞれ相性があることから、それを補完するために油が機構の中にさされているわけです。
油は、いわゆる潤滑剤としての役目を果たすものですが、従来型の機械式腕時計においては、動かなくなることを防止するために特に重要な要素でしょう。
ゴミや汚れ
また、精密機械だけに、外部からのゴミやホコリの侵入は何よりも避けなければならない存在。その1つ1つは非常に小さいものですが、機構内に集まってしまうと塊になることから、腕時計が止まる原因になるのです。
さらに、仮にそれらのゴミなどをやっと除去できても、頑固な汚れが残る可能性は非常に高く、従来備わっていた機能性の高さが失われてしまうこともあるでしょう。
そのため、常日頃から、汚れやすい場所における腕時計の使用は控えるようにし、汚れなどによりいつでもパフォーマンスの低下が引き起こされる恐れがあることを認識してください。
パーツの消耗・破損
腕時計に組み込まれている無数のパーツ。ゼンマイや歯車など、正確な時間運営には決して欠かすことのできないものです。
モデルによっては、油をさすことでパーツの摩耗を減らして寿命を延ばしていますが、それでも摩耗を永遠に起こさないというわけにはいきません。
全てのパーツは消耗品であり、時間の経過とともに必ず摩耗や破損が起きるもの。これによって、時計が動かなくなることを何としても防止するためには、定期的なパーツの交換を意識することも必要でしょう。
磁気帯び
そして、腕時計が止まる非常な大きな原因ともなるのが磁気帯び。かつては、海外で腕時計を使用することで、日本とは異なる磁気を受けることで止まるようなこともありました。
しかし、最近では、スマホやパソコンなどの電子機器が普及したことで、日本国内でも腕時計に磁気帯びを来す環境が存在しています。
今では、磁気帯びが発生しにくいモデルも存在してはいるものの、その影響を全くゼロにすることは非常に困難。そのため、普段身に着ける腕時計を電子機器に近づけないことはもちろん、強力なマグネットが取り付けられているバッグなどにも入れないように心がけましょう。
針すれ
腕時計が動かなくなるのには、まだまだ重要な原因が存在しています。それも、とびきり意外なところと言えば、針そのものの不具合かもしれません。
針が何らかの原因で本来の位置から離れることで、他の針や文字盤との間に、強く物理的なすれによる摩擦を生んでしまい、結果的に腕時計を止めてしまうという流れ。これは、非常に発覚しにくいと言えるでしょう。
文字盤の位置ずれ
しかし、針のすれは起こっていないけど、文字盤やインデックスの位置がずれているというパターンも。特に、インデックスの上で、針が回るタイプのものであれば、腕時計の動きも止めることも十分にあり得ます。
文字盤のずれは基本的にレアな事象かもしれませんが、万が一起きてしまうと、腕時計全体のバランスが悪くなっている可能性も。そのため、腕時計が動かないことにとどまらず、潜在的なトラブルを引き起こす可能性もあるのです。
電池切れの腕時計は買取してもらえる?
店舗側はリスクを避ける
さて、そんな電池が切れてしまっている腕時計は、買取してもらえるのかは大変気になるところ。一般的な認識からすれば、たかが電池切れなので、買取には影響しないのではと思いますよね。
もちろん、現実問題として、電池切れだけであれば影響はしないのでしょうが、ポイントは、電池交換している際に他の不具合が発覚してしまうことかもしれません。
実は、買取サービスを行っているお店側の中には、この点をあらかじめ考慮している場合もあり、電池以外の不具合による価値低下を恐れて査定をあえて厳しく設定するケースも少なくないでしょう。
腕時計が動かない原因は様々
そして、一部の買取サービス店側が査定を厳しくするのには、もう1つの原因的視点があります。それは、本当の原因が、電池交換に至るまでは特定さえできないどころか、もしかすると原因が複数存在していることもあること。
また、仮に修理の段階で原因として1つを認識できたとしても、別の原因を見逃してしまうこともあります。つまり、原因そのものだけでなく、発覚するタイミングも様々であることから、抜本的な特定は一筋縄ではいかない場合もあるでしょう。
腕時計の保管された状況がわからない
電池切れの腕時計は買取してもらえる確率が高いですが、買取サービスとしてはその判断に難儀なこともあります。それは、依頼される腕時計が、ユーザーによってどのくらいの期間にどのように保管されていたかを明白にすることです。
そもそも、保管状態は各ユーザーによって大きく異なるだけでなく、ユーザー側の保管に対する認識と買取サービス側の認識が一致しないこともあり、この点は買取の判断において意外な懸念材料になることもあります。
そのため、電池切れが原因であるかを問わず、動かない腕時計の買取を依頼する場合は、各ユーザーが自身の保管に関する状況をサービス体に明確に説明できるのが最も望ましいでしょう。
動かない・止まっている腕時計はどうすればいい?
オーバーホールに出す
お使いになっている腕時計によっては、手放すことも惜しいくらいに愛着深いものもあるでしょう。このような場合、腕時計が動かないというのは、心苦しく思うこともあるかもしれません。
ここはやはり、本格的にオーバーホールしてみるのも1つの手段です。これであれば、基本的な機能を取り戻すことができるので、お気に入りの腕時計を再度使うことができるようになります。
ただし、オーバーホールを進められるのは、メーカー公式のブティックや修理サービスであり、また、質の良い腕時計職人の在籍する街の時計屋も利用できるでしょう。
それでも、メーカー独自のノウハウの詰まった高級腕時計になると、やはりメーカー公式の部品を使ってのオーバーホールが推奨されます。さもなければ、新品購入した当時と同じリサールバリューが失われる可能性もあり、必ずメーカー公式のブティックや修理サービスを利用してください。
ゴミに出す
しかし、修理に出す手間や、その他の何らかの事情を考慮して、ゴミとして処分する場合もあるでしょう。この場合、クオーツタイプの腕時計に関しては注意すべき点があります。
それは、日本の多くの自治体では、クオーツタイプに組み込まれているボタン電池は不燃ごみに出すことができないことです。そのため、不燃ごみとして処分するには、このボタン電池をあらかじめ取り出しておき、別個に処分することが求められるでしょう。
買取に出す
上記でも少し触れましたが、腕時計が止まっている状態であっても、買取そのものを進めてくれる業者は一定程度存在しています。
その中には、純粋に修理を自前で進めることのできる買取業者もいますが、腕時計のパーツの転売を目的に買取を進める業者もいるでしょう。
買取の目的や買取後のプロセスも業者ごとに異なることから、買取価格も千差万別。そのため、具体的な業者選びは綿密な事前調査を経るようにしたいものです。
動かない・止まっている腕時計を買取に出すには
まずは査定を
さて、動かない腕時計であっても、買取にスムーズに出すためにはどうすればよいのでしょうか?一番手っ取り早いのは、まずその価値を確かめるために査定に出してみることです。
信頼ある買取業者であれば、止まっている腕時計であっても、電池交換をあらかじめ完了していなくとも、時計そのものの価値を見極めてくれます。
何よりも最近は、査定も自宅に居ながら進めることができるのが一般的。査定だけでなく、そのまま買取に進められる業者もあり、継続して進めることで買取条件もより有利になる場合もあるでしょう。
止まっている腕時計の買取相場とは?
しかし、ちょっと気になるのは、止まっている腕時計はどんな買取相場を持っているのかということかもしれませんね。実際のところ、電池が切れた状態の腕時計に対する相場というのはないのです。
基本的には、やはり腕時計のスペックや保存状態が重要視されますが、モデルごとの買取相場だけでなく、電池を交換した際の工賃や手数料が買取価格に考慮されることがほとんどと言えます。
それでも重要なのは、モデルごとの買取相場をきちんと公開している業者であること。このことは、業者の透明性を判断するための大きな基準となり、査定の際に業者の公式サイトなどで確認するべきでしょう。
買取査定の前に時計の電池交換はした方が良い?
買取の査定を進めてもらう前に、多くのユーザーは少しでも査定価格を上げるために、電池などの交換をあらかじめしようと思う方もいるかもしれません。
しかし、満を持して電池交換などをしたものの、思わぬところに欠陥が発覚したために、結果的に想定していた買取価格が得られなかったというパターンもあります。
言ってみれば、電池交換してもしなくても、腕時計そのものの価値をきちんと見極めてもらえれば、査定額に影響しないのです。そのため、査定前には、電池交換はむしろしないほうが良いでしょう。
まとめ:止まってしまった腕時計はどうする?
腕時計が止まってしまった場合、オーバーホールすると当然費用がかかってしまいます。時折、その費用は想像以上に高くなってしまうもの。
その場合は、買替を前提に買取を進めるのが、費用的にも最も理想的であるかもしれません。腕時計は基本的にどんどん新しいモデルが出現してくることから、最新モデルを下取依頼から常に手に入れていくのが結果的に安くなります。
動かなくなった腕時計は、直接査定に出すことが一番賢い方法。上記の腕時計本舗のような、買取から買替までスムーズに進められる業者であれば安心ですよ。
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