グランドセイコーはなぜ高いのか?評価される理由を専門店が解説
ギラギラした高級腕時計よりも、やはり日本的なスマートさを持った高級腕時計が欲しいという方向けには、やはり「セイコー」が誇るグランドセイコーがおすすめ。
なぜなら、現在は日本国内だけでなく、海外のユーザーにも大変評価が高く、日本的な感覚を知ることができる腕時計としても人気となっているからです。
その一方で、ユーザーからは時折、グランドセイコーはなぜ高いのかという声が聞かれることもあり、この点は、これからグランドセイコーを購入してみたいという潜在的なユーザーからすれば非常に気になる部分かもしれませんね。
そこで今回は、グランドセイコーが国内外で高い評価を受けている理由や、グランドセイコーの人気おすすめモデルもチェックしていきましょう。
グランドセイコーとは?

「セイコー」が誇るグランドセイコーは、1960年にセイコーの最高級ラインとして誕生し、スイスの高級時計に匹敵する品質を持つ腕時計を製造することを目指したことでも知られています。
しかし、現在では、スイスのクロノメーター規格を超える精度を持つモデルも多くなっており、当初からグランドセイコーが目指していた「高精度」「耐久性」「美しさ」の三位一体を見事に実現しているのです。
また、控えめで落ち着いた、日本的な価値観を理解できる高級腕時計としての一面を持ち、日本の職人技術と革新技術が融合したグランドセイコーの腕時計は、新たな次元を追求できるほどに成長しています。
そのため、日本をよく知りたいがために、グランドセイコーを求める海外ユーザーは少なくなく、シンプルな国産高級腕時計としての地位を確固たるものにしているでしょう。
グランドセイコーが高い理由

コンセプト
グランドセイコーは先述のように、1960年代の段階で名実ともに世界一の存在であったスイスの高級腕時計を超えるべく、国産の世界最高級の腕時計を開発するというコンセプトで生まれました。
そして、単に高級路線というだけでなく、グランドセイコーを生み出したセイコー本体から完全に独立させ、より高みのあるブランドとして運営さているのが最大の特徴なのです。
この方式によるブランド運営は大きな成功を収め、セイコー自身のブランド性を向上させたこともあって、グランドセイコーは価格帯も非常に高いシリーズとなっています。
ムーブメントの精度の高さ
グランドセイコーは、機械式もクオーツ式も、ムーブメントが最高級の精度を誇ることでも知られます。
最も有名なのは、9R スプリングドライブかもしれません。セイコーの革新的な技術であるスプリングドライブは、機械式時計の精度とクオーツ時計の正確性を融合させたムーブメントであり、非常に滑らかな秒針の動きを実現しています。
また、機械式のムーブメントも9Sシリーズがあり、従来的な摩耗の大きい構造をカバーすべく、半導体の緻密な加工技術を用いて、セイコーの職人が一つ一つ手作業で組み立てており、高い精度と耐久性を実現しています。
さらに、クオーツ式なら9Fシリーズがあり、動力に難のある特性を解決できるように、機械式に遜色のない力強さを発揮するツインパルスモーターを採用しています。
このように、グランドセイコーに搭載されているムーブメントは、いずれのタイプの駆動方式であっても、常にユーザーに最高のパフォーマンスを提供すべく、最大限に努力をし続けています。
マニュファクチュールブランドである
また、セイコーにとって、グランドセイコーとは、1つの誇り高き「マニュファクチュールブランド」でもあり、セイコー自身の腕時計メーカーとして職人的メンタリティを色濃く反映しています。
つまり、ムーブメントの開発も外注することなく、一切を自前で進めることはもちろん、製造、組立、調整、検査までのプロセスを一貫して自社工場で進めているブランドシリーズなのです。
他社メーカーを見た場合、ブランドシリーズであっても汎用ムーブメントを搭載するケースもありますが、グランドセイコーではすべてを自社製造にしていることから、どうしても高価なモデルが多くなるでしょう。
グランドセイコーの腕時計専門店の評価

ステータス性が高い
さて次に、腕時計専門店の立場において、グランドセイコーの評価をする上で注目すべき点と言えば、その優れたステータス性にあると考えます。
つまり、身に着けるだけで、自身の格を上げることができる風格。ここが、国内外の著名人がこぞって着用している大きな理由の1つです。
また、日本の腕時計としての最高峰に位置するという多くのユーザーによる認識も、グランドセイコーのステータス性を大いに高めている要素。もちろん、優秀な機能性あってこそのステータス性ですので、日本を代表する高級時計として文句もつけようがありません。
デザイン性が高い
また、グランドセイコーがそのデザイン性も突出した存在。特に、「セイコースタイル」と呼ばれるデザインの型は、グランドセイコーのモデルが最も体現されていると言われます。
優雅で、どこか中性的。しかも、日本のハッキリとした四季や自然をモチーフにしたような、飾らない「美」を演出できる圧倒的でアクのない存在感は、日本文化に触れたことのない外国人であっても十分に心の中で共有できるはずです。
とにかくシンプルなデザイン性が眩しい、グランドセイコー。シンプルだからこそ、今後のモデルが放つデザイン性も未知数であり、多くの愛好家に何かを期待させるシリーズであり続けるでしょう。
ビジネスシーンにマッチする
そして、そんなシンプルなビジュアルだからこそ、あらゆるビジネスシーンにもマッチ。たとえ張り詰めた雰囲気の中の商談であっても、クライアントの前での重要なプレゼンであっても、それぞれのシーンに合わせたイメージを作り出してくれます。
それでいて、前に出過ぎないような控えめさで、自己主張も一切なく、身に着けたユーザー自身の個性を上手に引き出してくれるパーソナリティー・ツールとしても力を発揮するのです。
先述のように、ステータス性の高さもさることながら、他の高級ブランド腕時計モデルと比較した際のイメージも抜きんでており、自らも周囲も良質なフィーリングの中に包み込んでしまうような、そんな慎ましさも魅力的でしょう。
グランドセイコーの海外での評価は?

セイコーは、国際的なブティックの大規模なネットワークを運営しており、世界的な存在感と直接的な顧客エンゲージメントへの取り組みを重要視していることから、世界中に 80 を超えるセイコーブティックを構えているのです。
また、セイコーは、「時計界のオスカー」と呼ばれることもあるほどの権威を持つ、ジュネーブ時計グランプリ (GPHG)にて数々の賞を受賞していることでも知られています。
さらに、最近は、メジャーリーガー・大谷翔平選手がグランドセイコーを着用していることもあり、グランドセイコーを含んだセイコーの評価も非常にアップしていると言えるでしょう。
特に近年の参考データを見ると、世界時計ブランドランキングにおいて、セイコーは2023年に第3位にランキングしており、グランドセイコーの海外での良好な評価が、セイコーのブランドイメージも大いに貢献しているのです。
▼大谷翔平が着用している腕時計はグランドセイコー?専門店がご紹介
グランドセイコーの高騰モデル5選
グランドセイコーは高級ブランドモデルとしては、そのコンセプトもあって、比較的リーズナブルに価格帯が抑えられてはいますが、やはりモデルによっては価格が高騰している場合もあります。ここでは、その中でも特に評価が高く、価格高騰が著しいモデルの一部をご紹介しましょう。
グランドセイコーの高騰モデル 1.SLGA017
出典:QUERI
まず、この「SLGA017」。エボリューション9コレクションというシリーズの中に属し、日本国内の一流正規時計店の協会であるAJHH(日本正規高級時計協会)との協力で生み出された限定モデルです。
限定255本という大変レアな腕時計ですが、シルバーメタルの中に、幻想的な淡いブルーの文字盤のマッチングも魅力。さらに、グランドセイコーのモデルが発揮する本来のアンティークな雰囲気に、高精度のスプリングドライブ・ムーブメントも搭載しています。
雪原に青空を映り込ませた趣のある文字盤デザインは、まさに温故知新型で、グランドセイコーが大切にしてきた思いを体現するもの。日常の何気ないライフスタイルに、様々なインスピレーションを与えてくれることでしょう。
新品価格:¥1,380,000
グランドセイコーの高騰モデル 2.SBGA451G
出典:QUERI
次に、グランドセイコーでは珍しい、中国限定モデル「SBGA451G」。これも400本限定というレアモデルですが、何と言っても、我らが葛飾北斎の富岳三十六景の中の浮世絵の1つ「礫川雪ノ且(こいしかわゆきのあした)」をデザインテーマにしている傑作です。
文字盤の鮮やかでありながら、少し虚ろ気なホワイトは、まさに北斎が描いた雪景色を思わせる色合い。そして、秒針の走り方も独特で、絶えず流れていく「時」を体現しているとされます。
中国人もまた、日本の富士に強く憧れを抱く国民性。このまさに日本の美をさり気なく表現したモデルは、中国人の心を大いに揺さぶったことでしょう。
新品価格:¥888,000
グランドセイコーの高騰モデル 3.SBGJ217
出典:GALLERY RARE
そして、エレガンスコレクションのマスターショップ限定モデルである「SBGJ217」。アンティークな感覚と現代日本人の若々しい感覚を共存させたもので、時代を超えても輝き続けることができる腕時計です。
現在では、中古でも非常に高い価格帯で推移しているモデルでもあり、それほど、この腕時計が発揮するパワーも凄まじいことが窺えます。
見ようによっては、懐中時計にも見えるフラットな個性。そして、アンティークだけど一切古めかしさを感じさせない、オーソドックス・ブラウンのレザーバンドとの一体感もあり、パット見でもあらゆるユーザーを惹きつけることでしょう。
中古価格:¥1,099,500
グランドセイコーの高騰モデル 4.SBGJ237
出典:QUERI
さらに、スポーツコレクションから、お洒落な機械式「SBGJ237」をご紹介しましょう。今風のスポーツウォッチらしく、コンパクトなケースサイズが特徴になっています。
20気圧防水性というアクティブな機能性の高さはもちろん、機械式であっても激しい運動に高精度を維持してくれる、9Sメカニカルハイビートを搭載。これぞ、さすがセイコーの機械式と思わせる腕時計です。
ベゼルに採用されたホワイトとネイビーのツートンもお洒落で、視認性も秀逸。ステンレスながら装着感も素晴らしく、セイコーがこだわり続けたメカニカルなスポーティモデルの自信作でしょう。
新品価格:¥788,800
グランドセイコーの高騰モデル 5.SBGH297
出典:QUERI
最後にご紹介するのが、このモデル「SBGH297」。銀座にあるブティック・サロン5店舗でのみ限定販売されるモデルであり、文字盤には青空のイメージに、一見バラバラに見える網目模様を載せた画期的なデザインが輝いています。
物理的にフラットなボディが見る角度によっては立体的に見えるのも、こだわりのビジュアル。銀座の青空に対する強いこだわりは、誰もが納得できるほどに体現されており、計算し尽くされたスマートな外観は多くのユーザーを想像以上に魅了したのです。
国内で260本限定販売レアモデルということもありますが、それ以上に、見る者に多様な答えを導き出すような不思議なイニシアティブも覗かせているでしょう。
新品価格:¥3,280,000
まとめ:グランドセイコーはなぜ高いのか
抜群の精度の高さに、それを実現する素晴らしいムーブメント。日本的な美しさと控えめなアイデンティティを追求したデザイン性。これらをすべて体現しているのがグランドセイコーです。
それだけに、グランドセイコーの価格の高さは、やはり多くのユーザーも納得。それ以上に、時代を超越して使い続けることができる魅力が、あらゆるユーザーが逆らうことができない要素と言えるでしょう。
今回ご紹介したモデルは、いつ売り切れになるかわからない、大変希少性の高いモデル。もし何かを感じたら、今すぐ行動してお求めになってください。
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