ロレックスの価格が暴落⁉下降原因を元正規店販売員が解説
高級ブランドでも一度着用したものなどは大幅に価値が下がるのが一般的です。
しかしロレックスは中古市場でも安定的な資産価値がある珍しいブランドです。
需要に対して流通量が少なく、中古市場でプレミア価格になるなどロレックスの資産価値は高まりました。
しかし2022年の春頃、長年上昇傾向にあったロレックスの買取相場が一時下落しました。
こういった一連の状況を元正規店店員が考察したいと思います。
ロレックスの価格が暴落⁉その実情とは
ここ数年ロレックスの買取価格は上昇傾向にあり、人気モデルに関しては定価を大幅に超えるなど異常な事態にありました。
その為正規店では使用目的のお客様とは別で転売目的の方も多く来店されていました。
個人だけでなく組織ぐるみの転売活動もあり、正規店での人気モデルに対する争奪戦は殺伐としていました。
近年ロレックスの中古市場での相場が大幅に引き上げられていたのは、投資や転売目的の人たちの影響が大きいと考えられます。
また価格改定前の日本ロレックスの定価は他国よりも安く設定されていました。
その為中国をはじめとする海外のお客様が連日来店され店頭在庫も品薄状態が続いていました。
しかし新型コロナウィルスの影響や価格改定により、ロレックスの需要が一時落着きました。
2022年の上半期は中国のロックダウンやスイスの時計生産が回復したことで正規店でロレックスを購入できる方が増え、一部モデルの買取価格が下落したと考えられます。
資産や投資目的で購入していた方はロレックスの下落に不安な気持ちになった方も少なくないそうです。
そして、そんなロレックスでさえも2022年の春に入ると、実際に全体的な市場価格の暴落を引き起こす事態にもなっています。
特に、ロレックスの人気ダイバーズウォッチとして有名な「サブマリーナー」のモデルは、高価格帯が一般的な中古アイテムであっても46%も下落したと言われるほど。つまり、ロレックスを始めとする高級腕時計市場のあらゆるブランドが、大きな影響を受けたと言えるでしょう。
ロレックスが暴落した理由
中国の景気後退
さて、高級腕時計の代名詞であるロレックスが暴落した大きな理由1つに、中国経済の大幅な景気後退が挙げられるでしょう。
中国の高級アイテム市場は、いわゆる「見栄」の市場とも呼ばれ、貧富の差の激しい中国の人民の間においては、日常的にステイタスを誇示するための極めて重要な存在として位置付けられています。
その中でも、ロレックスは、高級アイテムとしても特に知名度が高く、ファッションツールとして、そして投資アイテムとして、ビジュアル的にも威力を発揮してくれることから、中国人の見栄アイテムの方向性に大きくマッチしていたのです。
しかし、そんな中国での高級腕時計の市場をけん引していたのは、やはり富裕層。近年の激しい景気後退による大型の企業倒産も相まって、彼らのロレックス需要に対する需要が大きく削がれてしまったと言えるでしょう。
中国経済に対する長期将来的な見通しは、経済専門家も投資家においても同様に悲観的。そのため、ロレックスの暴落に一抹の危機感を抱く消費者はいまだに少なくありません。
コロナの規制緩和
新型コロナウイルスも落ち着いてきた近年においては、世界各国でそれまでの封じ込めに対する規制が次第に緩和されてきた感もあります。
一時期は、ロレックスの製造が止まっていたので、市場のアイテム自体が著しく少なかったことから、中古アイテムは非常に高い水準で取引されることも少なくありませんでした。
しかし、ロレックスの市場供給も落ち着いてきた現在では、売却を前提としていた購入者層が購入を焦らなくなったこともあり、新品価格を含んだ相場が下落するという現象も引き続き見られるようになったのです。ここが、ロレックスの相場を注視する上で、不安定さが感じられる部分とも言えるでしょう。
その他の要因
また、上でご説明した2つの要因の他に、意外な外在的要因も関係しています。その1つに、多くの国家において「金利引き上げ」を実行した結果、インフレの進行と景気の減速を招いてしまったという点があるでしょう。
特に、メインのロレックス・ユーザーである富裕層は、一連の流れで資産が目減りしてしまい、現金不足を招いてしまった方も少なくなく、売却需要が集中したことで相場を一気に押し下げたとされます。
そして、もう1つが、多くの投資家が保有していた「暗号通貨相場」が大きく下落したことも大きな要因。つまり、損失分の補填のための代価として、ロレックスを売却するという流れが生まれたとも言われているのです。
このような要因は、腕時計に精通していない者からでも、投資の対象として認識されることの多いロレックス特有のものでもあり、他の一般的な高級腕時計にはあまり見られないものかもしれません。
ロレックスの価格が暴落⁉今後の価格は
現在の価格の状況は?
さて、ここからはロレックス価格の暴落の実情を踏まえ、実際の販売体におけるケースを見ていきましょう。
腕時計投資.comさんからの価格指標をチェックしてみると、ロレックスについては大部分のシリーズやモデルで価格が上昇していることが分かります。
また、昨年と比較すると平均価格がマイナス成長になっているものの、今後著しい形による価値暴落というのは、まず起きにくいと言えそうです。
もちろん、シリーズの人気度によって、多少の差はあるかもしれませんが、今後の価格の上昇についてはポジティブな視点で捉えることができるでしょう。
今後の価格は?
上述のように、ロレックスの一時的な価格の低下はあるものの、ロレックスに対する慢性的な需要と供給のアンバランスさを鑑みれば、今後も価格は上昇傾向と見るのが一般的。
その一方で、ロレックスは2029年に、スイス・フリブール州ビュールにて新規製造拠点の立ち上げを予定しており、トータルで2割から3割ほど増産されるという見通しもあります。
そのため、従来のロレックスの希少性に注目して投資を進めるユーザーにとっては、これは大変気になる情報かもしれません。
通常、新規の生産拠点の拡充は品質確保のためには良い材料ですが、増産がスムーズにできるようになると、投資目的のユーザーからすれば微妙な材料になってしまうこともあります。
そのため、価格の上昇そのものは従来通りの傾向かもしれませんが、今後は、その上昇幅やタイミングなども含めて、上述の需要と供給のバランスを見極めながら慎重に購入することが非常に重要となってくるでしょう。
まとめ:ロレックスの価格が暴落⁉元正規店店員が考えるその実情と原因
転売や投資目的で購入する人が少なくなると、適正な価格で希望のモデルを購入しやすくなります。
日本ロレックスでも転売対策の強化をしていますが、それでも人気モデルの中古市場への流出はある程度仕方がありません。
買い手からすると資産価値があることもロレックスの魅力です。
人気モデルに関しては中古や並行品店よりも、正規店での定価が最安値という逆転した状況が長らく続いています。
定価に関しては価格改定で値上がりすることはあっても下がることは考えづらいです。
希望のモデルが定価で見つかった場合は購入することをお勧めします。
正規店で人気モデルを購入することは難しく、かなりの時間を要することが多いです。
しかし並行品店や中古市場では高額になっているので、購入するには躊躇してしまう金額かと思います。
腕時計本舗ではロレックスのレンタルも可能です。
気軽に憧れの高級時計を試してみてはいかがでしょうか。
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