偽物ロレックス(スーパーコピー)と本物との違いとは?元正規店販売員が教える見分け方
高級腕時計はステータスや成功を象徴するアイテムとされており、一部の人々は見栄や軽い気持ちから偽物を身につけることがあります。
SNSが盛んな現代では自身のアピールやイメージを強調する手段として偽物を利用する人もいます。
X(旧Twitter)では写真の中のロレックスが本物か偽物かについての疑惑がたびたび話題となり、偽物を着用している人には厳しい批判が寄せられることもあります。
また家族から受け継いだり購入した時には気づかなかったりして、知らず知らずのうちに偽物のロレックスを着用していることもあるかもしれません。
ロレックスの真贋を見分けるためには一般の人でも分かりやすいポイントがいくつかあります。
今回は「偽物のロレックスと本物との違いとは?」「本物か知りたい時の真贋の裏技」をご紹介します。
なぜ偽物のロレックスが多く存在するのか
ロレックスは高級腕時計の代名詞であり、高い品質とステータス性から多くの人の憧れの腕時計です。
近年は爆発的な人気から正規店では入手困難な状況が続いており、買いたくても買えないという異常事態が発生しています。
このような状況から代替手段として偽物を購入する人もいるでしょう。
人気のあるモデルや希少モデルは着用しているだけで羨望の眼差しを向けられることがあり、偽物を着用することで自尊心を満たそうとする人もいます。
また高価な腕時計を着用していると見せかけて詐欺行為に活用する人もいるようです。
ロレックスの偽物は時計愛好家や専門家にとっては割と見分けやすい腕時計ですが、最近は偽物の製造技術が向上しており外観や機能が本物に近いものが製造されています。
さらに最近はインターネットを通じて偽物のロレックスを容易に入手できるようになりました。
興味本位で購入する方も多く偽物の需要が高まっています。
ただし偽物を着用することは法的な問題や倫理的な懸念が伴います。
偽物を着用していることが発覚すると着用者の信頼性や誠実さに関わる問題が生じることもあるでしょう。
一方で知らず知らずのうちに意図せず偽物のロレックスを着用していたという事例も少なくありません。
以下でロレックスの真贋ポイントを解説します。
ロレックスの偽物の見分け方
ポイント①保証書
ロレックスのギャランティーカード(保証書)は時計の基本情報だけでなく時計本体の真贋においても重要な役割を果たします。
2006年までは紙製のギャランティーカードが使用されており、その後カードタイプに変更されました。
最新のギャランティーカードは2020年から刷新され、購入日に保証書を即日発行できるようになりました。
購入店舗、国番号、購入者氏名の欄がなくなり、MODEL(型番)、SERIAL(固有番号)、DATE OF PURCHASE(購入日)の3つの情報が記載されています。
ブラックライトを当てると偽造防止用のホログラムが浮かび上がり、偽造が難しくなっているようです。
ポイント②シリアルナンバーの刻印
保証書と時計本体のシリアルナンバーの刻印を確認しましょう。
2004年以前のモデルはブレスレットを外すとケースの12時位置にリファレンスナンバー(型番)、6時位置にシリアル番号(固有番号)が刻まれています。
現行モデルではリファレンス番号はケースの12時位置に刻まれていますが、シリアル番号は文字盤の側面に刻まれています。
これらの数字は保証書にも同じように記載されています。
偽物のロレックスはシリアル番号に不備があったり、刻印が浅い、点々とした跡がある場合があります。
刻印の質を注意深く見ることは真贋判別に役立ちます。
シリアル番号の刻印がない場合、刻印が甘い場合は偽物の可能性が高いと言えます。
ポイント③王冠の透かし
ガラスの6時位置に王冠の透かしが入っています。
透かしは2000年頃から徐々に導入されました。
透かしマークは非常に小さく、肉眼ではほとんど確認できないほど細かく刻まれています。
ルーペを使用してやっと見えるというような繊細な色と大きさです。
しかし透かしがないモデルも存在します。
ミルガウスのグリーンサファイアの風防には透かしが入っていません。
透かしの出来が悪くはっきりと見えすぎている場合、偽物の可能性が高まります。
ポイント④細部のディテール
日付表示のある時計は日付の切り替わりにも注目してみましょう。
デイトジャスト機能は午前0時前後に瞬時に日付が切り替わる機能であり、ロレックスが開発した「オイスターケース」や「パーペチュアル機構」と並ぶ三大発明の一つです。
発売当時は午前0時に向かって徐々に日付が変わる仕様だったと言われていますが、現在のモデルで日付の切り替わりがゆっくりである場合、故障や偽物の可能性が高いです。
また時計本体の面取りやリューズ、ブレスレット側面のネジも注意深く観察してみましょう。
本物のロレックスはこれらの部分が高品質で特徴があります。
ロレックスは面取りが適切にされており、触れたときに角ばっておらず滑らかです。
偽物は面取りが不十分で尖った感触がある場合や反対に丸すぎることがあります。
またリューズのエッジにも注目しましょう。
ロレックスではリューズのギザギザ部分が特定の形状で作られており、非常に滑らかです。
一方、偽物は微妙に尖っていて指先に負担を感じることがあります。
ブレスレット側面のネジもポイントです。
ロレックスではネジが丁寧に磨かれており、ネジ回りに隙間がほとんどありません。
偽物ではネジの状態が雑で隙間が見受けられることがあります。
ポイント⑤ロゴやプリントのデザイン
王冠のロゴマークや文字盤のプリントを注意深くチェックしてみましょう。
王冠のロゴマークは5本の線が先端に向かって細くなっており、細部まで鮮明に描かれています。
偽物の場合、細部が不明瞭であったり線の太さに違いがあることがあります。
ロレックスは高度な技術で製造されており細部にわたり高品質です。
偽物は粗く塗料の乗りが悪かったり塗料にムラがあることがあります。
文字のふち周りが粗いと品質が低いことを示す兆候かもしれません。
クロマライトの夜光は暗い環境で光る特性を持ち、ブルーに輝きます。
偽物の夜光塗料は質の低いものであり、光りが不十分であったり異なる色を示すことがあります。
しかし偽物も日々進化しています。
また本物であっても製造年によって多少の変化があるため、他の要素と組み合わせて判断しましょう。
ポイント⑥秒針の動き方
ロレックスは滑らかで連続的な秒針の動きを示します。
これは手巻きや自動巻の機械式腕時計の特徴であり、秒針が秒単位で止まらずに滑らかに進行します。
一方、偽物のロレックスでは秒針が滑らかに連続して動くことが難しい場合があります。
ただしスーパーコピーと呼ばれている一部の高品質な偽物も滑らかな秒針の動きを模倣することができるため、他の要素と組み合わせて判断することが重要です。
ロレックス人気モデルの偽物の見分け方
デイトナの見分け方
タキメーターのディテールに注目してみましょう。
本物のデイトナはメーターの間隔が均等であり、文字の厚みが一貫しています。
文字は深く彫られており、文字の表面に影ができ色の濃い部分が際立っています。
偽物の場合、文字が印刷されたように見えることがあります。
これは低品質な製品であり質感が異なります。
セラミック製のベゼルは非常に耐久性があり、優れた耐摩耗性と耐傷性を持つため、偽物は一般にこの質感を再現できません。
デザインを真似することはできても質感を模倣することは難しいでしょう。
サブマリーナーの見分け方
サブマリーナーのルミナスポイントは均一で分厚すぎないのが特徴です。
偽物のルミナスポイントは不自然に分厚く見えることがあります。
グライドロック部分は本物のサブマリーナとコピー品の間で微妙な違いが見られることがあります。
この部分に注意を払って違いを確認しましょう。
バックルの形状は重要なポイントです。
エクスプローラーの見分け方
文字盤の3,6,9の数字の部分を見てください。
夜光塗料の質と塗り方は本物と偽物の間で差異が見られることがあります。
ロレックスは夜光塗料が縁まで十分に塗られ、文字の内側の白い部分に均等に広がります。
一方偽物の場合、夜光塗料の量が少なかったり塗り方が雑で不均一であることがあります。
夜光塗料が縁まで行き渡らず淵がにじんでいることが見受けられます。
元正規店販売員が教える素人でもわかる見分け方
模倣品も年々進化しており真贋ポイントもその時々で変わります。
模倣品によって特徴が異なり、またロレックスの仕様自体に変更がある場合があるので見分け方も複雑です。
もしロレックスの真贋に疑念が生じた場合、ロレックスのサービスカウンターに修理という名目で時計を持ち込むことをおすすめします。
ロレックスでは真贋や鑑定を行っていませんが、見積の際に技術者が本体や部品が純正品であるかどうかを確認します。
もし偽物や純正でない部品が多数使われていることが判明した場合、時計は修理されずに返却されることになります。
ロレックスの修理見積もりが発行された場合、一般的にその時点では偽物ではなく本物のロレックスであると言えます。
見積の段階ではキャンセルができるので真贋だけを知りたい方が利用するケースもあるようです。
ロレックスのサービスカウンターで修理見積もりを依頼することは一つの手段として考えられますが、本体や部品が純正品であるかどうかを確認することはあくまで見積もりの範囲内の作業です。
真贋目的の場合は拒否されることもあるので注意が必要です。
ロレックス偽物に関する豆知識
ロレックスの偽物は買取してもらえるのか?
ロレックスの偽物は買取してもらえません。
古物商許可を持つ業者は法律に基づいて取引を行っています。
古物商には本人確認義務・取引記録義務・不正品申告義務の三大義務が定められており、これらを遵守することで偽物の買取や販売を防いでいます
ロレックスの偽物を売ったらどうなるのか?
偽物を売った場合、著作権法違反や商標権侵害に該当し罰金刑や懲役刑が科される可能性があります。
偽造品の製造、販売、流通を行った場合、最大で10年の懲役刑または罰金刑が科されることがあるので商品の売買には十分注意が必要です。
また人を欺いて偽品を売却した場合は詐欺罪が成立する可能性もあるでしょう。
偽物と知らずに売却した場合でも、警察が介入し取引の経緯や真偽について調査が行われることがあります。
偽物を購入した相手からのクレームがあれば、商品の返却と全額返金を求められる可能性があります。
ロレックスなど高価な商品を売却する際には正規品であることを確認するためにも高級腕時計の買取に特化した専門店に買取依頼をすると安心です。
また取引の際には書類や証拠をしっかりと保管しておくと良いでしょう。
裏蓋に刻印ないロレックスは偽物?
現行のロレックスモデルでは裏蓋に刻印がないのが一般的です。
多くの腕時計ブランドでは裏蓋にモデルナンバーやシリアルナンバーが刻まれていますが、ロレックスの裏蓋には基本的に刻印がありません。
モデルナンバーやシリアルナンバーは他の部分に刻まれています。
例外として一部のアンティークモデルではモデルナンバーやシリアルナンバーなどの裏蓋刻印が見られることがありますが、ロレックスの裏蓋に刻印がないことは現行モデルにおいては全く問題ありません。
まとめ:偽物ロレックスと本物との違いとは
上記の指針はあくまで一般的なものです。
本物の特徴を正確に理解することが偽物を見破るのに役立ちます。
また偽物を身につけることは模倣品の製造と販売を助長することになります。
偽物を身につけていることが周囲に発覚すると信頼性や誠実さにも問題が生じるでしょう。
高級腕時計は信頼性の高い店舗で購入するのが大切です。
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