ロレックスの製造年をシリアルナンバーから確認する方法を元正規販売員が解説
ロレックスの時計にはリファレンスナンバーとシリアルナンバーが刻印されています。
時計の重要な識別情報であり保証書がない場合でも時計の特定に役立ちます。
特にヴィンテージロレックスでは時計がいつ製造されたかを知ることが時価を把握する上で重要となります。
今回はシリアルナンバーを活用してロレックスの製造年を判別する方法について解説します。是非ご活用ください。
ロレックスのシリアルナンバーとは
ロレックスの時計にはリファレンスナンバーとシリアルナンバーの2つの重要な識別番号が刻印されています。
シリアルナンバーは保証書との関連付けや真贋、盗難防止などに役立ちます。
- リファレンスナンバー
型番とも言います。
モデルやシリーズを識別するための番号です。
同じモデルは同じリファレンス番号を共有します。
(例:2023年現行コスモグラフデイトナ ステンレスモデル→Ref.126500LN)
- シリアルナンバー
個々の時計に付与される番号で重複しないように設定されています。
同じモデルであっても全て異なるシリアルナンバーが割り当てられます。
シリアルナンバーは製品の管理、保証、アフターサービス、盗難時の特定などに利用されます。
2010年頃まではシリアルナンバーからケース本体の製造年を特定することができましたが、現在はランダムとなっている為、製造年を特定することができません。
ロレックスのシリアルナンバーの調べ方・記載場所は?
2004年以前と2004年以降ではシリアルナンバーが刻印されている場所が異なります。
2004年以前はリファレンスナンバーとシリアルナンバーはケース本体の12時と6時の位置に刻印されていました。
どちらもブレスレットを取り外すと確認することができます。
2004年以降はシリアルナンバーが文字盤の見返り部分、壁面に刻印されるようになりブレスレットを外さなくても確認できるようになりました。
通称‘‘ルーレットシリアル‘‘と言います。
リファレンスナンバーやシリアルナンバーは国際保証(ギャランティーカード)にも記載されています。
ロレックスのシリアルナンバーと製造年の一覧表
1927年~2010年までの個体はシリアルナンバーからおおよその製造年を確認することができます。
下記の表をご参照ください。
※ロレックスが正式に公表しているものではありません。また個体の完成時ではなくケース本体の製造年と言われており、おおよその年式しか推測できません。
頭にアルファベットが付く前の製造年
シリアル
|
製造年
|
|
---|---|---|
21691~
|
1927年
|
|
23969~
|
1928年
|
|
24747~
|
1928年
|
|
28290~
|
1930年
|
|
29312~
|
1932年
|
|
29933~
|
1933年
|
|
30823~
|
1934年
|
|
35365~
|
1935年
|
|
37596~
|
1936年
|
|
40920~
|
1937年
|
|
43739~
|
1938年
|
|
71224~
|
1939年
|
|
99775~
|
1940年
|
|
106047~
|
1941年
|
シリアルナンバーが六桁に
|
143509~
|
1942年
|
|
230873~
|
1943年
|
|
269561~
|
1944年
|
|
302459~
|
1945年
|
|
387216~
|
1946年
|
|
529163~
|
1947年
|
|
628840~
|
1948年
|
|
710776~
|
1951年
|
|
840396~
|
1952年
|
|
929426~
|
1953年
|
|
937170~
|
1954年
|
|
941699~
|
1953年
|
|
952892~
|
1954年
|
|
955466~
|
1953年
|
|
282632~
|
1955年
|
|
139400~
|
1956年
|
|
321884~
|
1957年
|
|
360171~
|
1958年
|
|
693808~
|
1960年
|
|
763663~
|
1962年
|
|
985015~
|
1964年
|
|
1259699~
|
1965年
|
シリアルナンバーが七桁に
|
1871000~
|
1966年
|
|
2163900~
|
1967年
|
|
2426800~
|
1968年
|
|
2689700~
|
1969年
|
|
2952600~
|
1970年
|
|
3215500~
|
1971年
|
|
3478400~
|
1972年
|
|
3741300~
|
1973年
|
|
4004200~
|
1974年
|
|
4267100~
|
1975年
|
|
4538000~
|
1976年
|
|
5008000~
|
1977年
|
|
5482000~
|
1978年
|
|
5958000~
|
1979年
|
|
6434000~
|
1980年
|
|
6910000~
|
1981年
|
|
7386000~
|
1982年
|
|
7862000~
|
1983年
|
|
8338000~
|
1984年
|
|
881400~
|
1985年
|
|
9290000~
|
1986年
|
|
9766000~
|
1987年
|
|
9999999~
|
1987年
|
頭にアルファベットが付いた後の製造年
シリアル | 製造年 | |
---|---|---|
R000001~ | 1987年~1988年 | アルファベットと6桁の数字の組み合わせで構成されるように |
L000001~ | 1989年~1990年 | |
E000001~ | 1990年~1991年 | |
X000001~ | 1991年 | |
N000001~ | 1991年 | |
C000001~ | 1992年 | |
S000001~ | 1993年 | |
W000001~ | 1994年~1995年 | |
T000001~ | 1996年 | |
U000001~ | 1997年 | 夜光塗料がトリチウムからルミノバになる |
A000001~ | 1998年~1999年 | |
P000001~ | 2000年 | |
K000001~ | 2001年 | ガラスに王冠の透かしマークが入り始める |
Y000001~ | 2002年 | |
F000001~ | 2003年~2004年 | |
D000001~ | 2005年 | シリアルがルーレット刻印になり始める(文字盤見返り部分) |
Z000001~ | 2006年 | |
M000001~ | 2007年~2008年 | 夜光塗料がルミノバからクロマライトになる |
V000001~ | 2009年 | |
G000001~ | 2010年 |
ロレックスのランダムシリアルナンバー後の製造年の確認方法
2010年G番以降の個体はシリアルナンバーがランダムな組み合わせに変更され、それまでのアルファベットと6桁の数字の法則性がなくなりました。
この変更により従来通りの方法で製造年を特定することが難しくなりました。
リファレンスナンバーからモデルが生産されていた期間の推測は可能ですが、個体の製造年の確認はできません。
ケース修理の際の注意点
正規のアフターサービスで時計の修理を頼む際、ケースに深刻な損傷がある場合、ケースの交換が必要となることがあります。
新しいケースには通常、新しいシリアル番号が刻まれます。
元のシリアル番号は新しいケースの内側に残され、オリジナルのシリアル番号と変更後のシリアル番号がセットで適切に管理されます。
ただし社外修理でケース交換を行ってしまうと記録にも残らず純正品ではなくなってしまうので注意が必要です。
またケースの交換は時計を売却する際の査定額にも大きく影響します。
正規のアフターサービスに時計の修理を依頼する際、ケースの交換を望まない場合は見積もりの際にその旨を明確に伝えましょう。
‘‘ケース交換が必須‘‘とされる見積もりの場合、ケース交換を行わない限り他の修理自体が受け付けられない場合もあります。
しかし‘‘ケース交換をお勧めする‘‘という見積もりではケース交換を行わずに修理が可能な場合もあります。
通常オーバーホール後には2年間の国際保証が提供されますが、このような場合は防水に対する保証がないことが条件になることがあります。
修理を検討する際には自分の要望や修理の必要性についてサービスセンターと十分なコミュニケーションを図り、納得いく結論を得ることが大切です。
ロレックスのシリアルナンバーの記載がない場合はある?
ロレックスの腕時計には品質と信頼性の証として、すべてのモデルにシリアルナンバーが記載されています。
シリアルナンバーはモデルの情報を特定するための重要な識別情報です。
シリアルナンバーがないロレックスは何者かによってシリアルナンバーが削除されたり、偽造された可能性も考えられます。
もう一つの可能性はその時計が偽物であることです。
ロレックスの偽造品は市場に多く存在し、多くはシリアルナンバーが不正確であったり記載されていなかったりします。
ロレックスの腕時計を購入する際にはシリアルナンバーの確認を怠らず、信頼できる販売店から購入することが重要です。
シリアルナンバー以外の製造年を調べる方法
ロレックスの腕時計にはクラスプ(またはバックル)と呼ばれる留め具がブレスレットやベルトに取り付けられています。
このクラスプには特定のアルファベットが刻まれている場合があり、これをクラスプコードと言います。
クラスプコードの法則性
クラスプコードには法則性があるとされており、このコードからブレスレットの製造年を大まかに判別することができます。
シリアルナンバーと組み合わせることでケース本体の製造時期とブレスレットの製造時期を比較し、そのクラスプがオリジナルのパーツであるかどうかを判断する手がかりになります。
ただしケース本体とブレスレットの製造年が完全に一致しているわけではないため、あくまで目安として使用することが推奨されます。
年数 | クラスプコード |
---|---|
1976 | A,VA |
1977 | B,VC |
1978 | C,VC |
1979 | D,VD |
1980 | E,VE |
1981 | F,VF |
1982 | G |
1983 | H |
1984 | I |
1985 | J |
1986 | K |
1987 | L |
1988 | M |
1989 | N |
1990 | O |
1991 | P |
1992 | Q |
1993 | R |
1994 | S |
1995 | T,W |
1996 | V |
1997 | Z |
1998 | Z,U |
1999 | X |
2000 | AB |
2001 | DE |
2002 | DT |
2003 | AD |
2004 | CL |
2005 | MA |
2006 | OP |
2007 | EO |
2008 | PJ |
2009 | LT |
2010 | RS |
2011 | CP|ランダム |
2012~ | ランダム |
正規修理とクラスプコード
ロレックスの正規修理でブレスレットを交換すると、クラスプに「S」の文字が刻印され、新しいクラスプコードが付与されます。
これにより修理履歴を確認することができます。
また正規修理ではない場所でブレスレットの交換が行われた場合も、ケース本体とブレスレットの製造年にズレが生じることがあります。
2010年以降のモデル
2010年以降に製造されたロレックスのモデルはシリアルナンバーがランダムな数列となり、ケース本体の製造年を特定することができなくなりました。
同様にクラスプコードもランダムな数列が使用されるようになり、製造年を判別することができません。
このため2010年以降のロレックスに関しては、シリアルナンバーやクラスプコードから製造年を推測することは不可能です。
まとめ:ロレックスのシリアルナンバーから製造年を判別する方法とは?
今回はロレックスのシリアルナンバーを活用して製造年を判別する方法を解説しました。
特に古いヴィンテージロレックスを売却または購入する際に役立ちます。
一方でこの方法は公式な情報ではないため、製造年の確定には限定的な信頼性しかありません。
あくまでも目安としてご活用ください。
ロレックスの関連情報
▼ロレックスの腕時計一覧はコチラ
コメントを残す