自動巻き腕時計の使い方を詳しく解説します!【リューズの巻き方】
腕時計本舗の編集長の前下です!
メンズ腕時計のムーブメントで主流「機械式」機械式時計のムーブメントは「自動巻き」と「手巻き」の大きく2つに分けられます。自動巻きの時計は手動巻きに比べて多くのメーカー多数のモデルを生産しており、幅広い種類から選択することができるのです。
現在、腕時計の世界では、クオーツでもデジタルでもない昔ながらのアナログな自動巻きの腕時計に魅力を感じる人々が急増しています!
しかし!
「自動巻きの腕時計の使い方を知らない」という方も意外と多いので、今回は自動巻きの使い方と仕組みについて詳しく解説していきます!
自動巻き腕時計の正しい使い方
まず止まっている状態から自動巻き腕時計を動かすためには、手巻き式時計と同様に、リューズを回してゼンマイの巻上げを行い時刻を合わせてから使用します。
※リューズとは、ケース側部にある、時刻調整などで使うつまみのことです。
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今さら聞けない腕時計の専門用語【リューズ】
動き始めてからは、着けている間は腕の動きによって機械内部のローター(巻き上げ装置)が360度回転してゼンマイが持ち上がって作動し続けます。
自動巻き腕時計のリューズの巻き方
腕時計の種類にもよりますが、ゼンマイを巻く場合はリューズを軽くカチッと音が鳴るまで引っぱり、右回しにゆっくりと巻いていきましょう。
自動巻き腕時計は毎日のように着ければ巻き数が足りなくなることはまずないですが、着ける時に止まっていた場合は軽く振ってから着用すれば再度動き出すでしょう。10cm程で何度か振ってみるとローターが再作動するでしょう。
※着用中の運動量が少ない・着用時間が短かった場合や、ゼンマイの巻き数が極端に少なかった場合は、精度が低下したり止まってしまう可能性もあります。そのため一度止まってしまった時や初めて稼働させる際には30~50回ほど手動で巻いてからだと安定して動きます。稼働時間はマックスで巻き上がっている状態で平均約30~50時間稼働します。
自動巻き腕時計のカレンダー・時刻合わせ方
以下の手順でカレンダーの日付と時刻の両方を調整することができます!
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- リューズを一段階引く。
- リューズを回して合わせたい日付・曜日の前日にして一度止める。
- 秒針が12時を指した時点でリューズをもう一段引き出して、合わせたい日付・曜日にして止める。
- 仕上げに正確な時刻の5~10分前で秒針を止め、分針を合わせる。
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この時にリューズを押しこんでしまうと動き出してしまうため、仕上げが終わるまでリューズの引き出し・押し込みに注意しながら日付と時刻を合わせるようにしましょう。
自動巻き腕時計の仕組み
自動巻き時計は、時計を着けている間に体の動きに伴って、重りであるローターが360度回転して、ゼンマイが巻き上げる仕組みになっています。
機械式腕時計を自動巻式構造にするために開発された部品がローターで、ムーブメント内部中央にある円形のローターが腕を動かすことによって回転し、その動力が「テンプ」と呼ばれる部品に伝わり、これが秒針を動かすのです。
手巻式腕時計に比べて毎日手動で竜頭を巻く手間がないメリットがあるものの、丸1日以上腕にはめないでいると止まってしまうというマイナス面もあります。つまり「自動」とはいえ、身体や腕をあまり動かさなければ自動で巻かれなくなってしまうのです。会社のデスクや自宅に長時間放置しておくと、止まってしまうので、定期的に手動でリューズを巻いてメンテナンスをしておきましょう!
出典:https://www.seikowatches.com/jp-ja/customerservice/knowledge/mechanical
自動巻き腕時計の注意点
自動巻き腕時計の注意点 ①腕に強い衝撃のある運動では外しておく
自動巻き腕時計は身体や腕の動きに合わせてゼンマイを巻く仕組みなので、強すぎる衝撃が加わると巻き上げ機能が故障してしまう可能性があります。
ゴルフやテニスなどのような腕を激しく振るスポーツをする場合には自動巻き腕時計は外しておいた方が良いですね!
自動巻き腕時計の注意点 ②水に濡らさないようにする
自動巻き腕時計は精密な構造なので、少し水が浸入してしまうだけで故障してしまう可能性があります。リューズを引っ張ったままでは、隙間からミスが内部に侵入して故障してしまうので、防水機能が付いていても、きちんとロックをされているかを確認しておきましょう!
自動巻き腕時計の注意点 ③磁気に弱いので、PCや携帯の近くに置かない
自動巻き腕時計も精巧な機械なので、磁気に弱いです。携帯やPCから出る磁気が時計の機能を狂わせてしまう可能性があるので、ビジネスマンは特に長時間携帯電話やPCの近くに腕時計を置かないように気を付けましょう!
自動巻き腕時計の注意点 ④スリップ機能を使い過ぎない
巻き数が上限に達すると、ゼンマイが切れないようにスリップ機能が作動する仕組みがあります。このため巻き過ぎによって自動巻き腕時計が壊れることはありませんが、頻繁にスリップ機能を作動させると時計に負荷がかかり、寿命を縮める可能性があるので注意が必要です。
自動巻き腕時計のメンテナンス方法
ここまでお話ししている通り、自動巻き腕時計の構造は非常に精巧なので、メンテナンスも十分に配慮する必要があります。
そのため、オーバーホールで定期的に分解して部品のチェックや油さしを行う必要があります。オーバーホールとは、時計内部のムーブメントを分解・洗浄することです。定期的にオーバーホールすることで時計の寿命を延ばすことができます。
少しでも調子が悪い場合はすぐに専門店に持ち込むことがオススメですが、異常がなくとも5年に1度の目安でオーバーホールはしておきましょう!
「ワインディングマシーン」で品質の保持と時刻合わせの手間を軽減
腕時計が贅沢品ではなくなり、1人1個の時代から、TPOに合わせたファッションウオッチとして複数の腕時計を持つ人が増えてくるとまた別の問題が出てきました。時計を何日も使用せずに放置しておくという状況です。すでにお話ししたように、機械式腕時計は長時間放置しておくと、複雑な内部機構が劣化しやすいという欠点があります。
そこで、着用しない間もゼンマイを巻き上げることができるワインディングマシーンというものが登場しました。腕時計を設置し、モーターで回転させることにより、ゼンマイを巻き上げるアイテムです。これで休日にしか腕時計を装着しない場合や複数の時計を利用する場合に、放置して止まってしまったという問題が解消されました。
ワインディングマシーン
自動巻き腕時計の使い方 まとめ
自動巻き腕時計の使い方 まとめ
- リューズを回してゼンマイの巻上げを行い時刻を合わせる
- 着けている間は腕の動きによって機械内部のロ。ーター(巻き上げ装置)が360度回転してゼンマイが持ち上がって作動し続ける
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自動巻き腕時計は、クオーツやデジタルウオッチに比べると、手間がかかる上に精度も見劣りします。しかし、それだからこそ愛着が湧くという独特の存在感を感じる人が少なくありません。
精密ではあるが、その正確さゆえに冷たい雰囲気がただようクオーツやデジタルにはない親しみやすさが感じられる点も、自動巻式腕時計はいまだに固定ファンが多いことの証明だともいえます。特に若い世代にとってはレトロな魅力も十分に堪能できるアイテムとしての人気が高まってきています。
「細かく注意しながら大切に取り扱う」という精密機器への本来の接し方を改めて実感させてくれる点が自動巻式腕時計の最大の存在意義といえるでしょう。また、使用して古くなっていくにつれて独特の味わいが堪能できる点も、自動巻式腕時計のファンが減らずに若い世代にファン層が広がっている背景にあるといえるでしょう。
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