ロレックスの認定中古時計とは?その影響と今後の予想を元正規店販売員が解説
ロレックスが認定中古時計を取り扱うという新たな動きが公式ホームページに現れました。
ロレックスの正規店で中古品が購入できるという内容です。
そもそも認定中古とは?いつどこで購入できる?
その影響と今後の予想を元正規店販売員が解説します。
ロレックスはなぜ認定中古時計を始めたのか?
この新しいプログラムは時計のセカンドライフに焦点を当て、中古市場でもブランドの価値と品質を確立し安心感を提供することを主な目的としています。
ロレックスは製品の真正性を重要視し、これまでにも品質基準に厳格に従い長期間にわたり優れた性能を発揮する時計を製造してきました。
この哲学を体現し、中古時計においても確かな価値を提供することでブランドの信頼性を確立しようとしています。
同時にロレックスが認定中古時計プログラムを導入することで、拡大する中古時計市場に参入することを試みています。
ロレックスの二次流通における異常な価格高騰はブランドも無視できるものではありません。
これらに対応する為に自社で中古時計を管理し、将来的には価格相場をコントロールしたいという意図も感じられます。
また認定中古時計はロレックスの需要増加や品薄状態に対処する手段としても機能します。
顧客に対してブランドの信頼性と安心感を提供し、同時にメーカーには安定した販売機会をもたらします。
認定中古時計を通じて需要と供給の調整やブランド価値の保護を図ることが期待されています。
ロレックスの認定中古時計とは
出典:ロレックスを購入する - ロレックス認定中古時計を購入する | ロレックス® (rolex.com)
公式概要
ロレックスは認定中古時計プログラム「ROLEX CERTIFIED PRE-OWNED」を開始し、正規品販売店で真正性が保証された中古時計が購入できるようになります。
厳格な品質基準を満たした中古時計が提供され、再販日から2年間の国際保証が適用されます。
主なポイント
- 認定中古時計プログラム
- 真正性の証明
「Rolex Certified Pre-Owned」の特別なプレートと保証カードにより、時計の真正性が正式に認められ、品質基準を満たしていることが保証されます。
また2年間の国際保証が提供されます。
- 永続的な取り組み
このプログラムはロレックスの耐久性と品質基準に基づき、時計のセカンドライフにも寄り添う卓越性を追求する一環としています。
中古市場でもロレックスのブランド価値と品質が保たれ、顧客は安心して認定中古時計を選ぶことができます。
時計の真正性を重視するロレックスの哲学が中古時計の購入においても確かな価値を提供します。
ロレックス認定中古時計のメリット
- 真正性の確保
認定中古時計プログラムではすべての時計が厳格な品質基準をクリアしており、真正性が保証されています。
購入者は正規品であることを確信し、信頼性の高い時計を手に入れることができます。
- 2年間の国際保証
購入後、2年間の国際保証が適用されます。
時計に発生した潜在的な問題に対してメーカーのサポートが得られ、安心して使用できます。
- 価値の維持
ロレックスの認定中古時計はブランドの厳格な品質基準をクリアしているため、中古市場でも高い評価を受けやすいです。
ユーザーは時計を将来売却する際にも高いリセールバリューを期待できます。
- 独自のプレートと保証カード
ロレックス認定中古時計には「Rolex Certified Pre-Owned」のプレートと保証カードが付属します。
これは時計の真正性を示し所有者にとって特別な価値を提供します。
ロレックスの認定中古に買取を出すメリットは?
認定中古時計を購入する際は安心感などのメリットがありますが、ロレックスの正規店に買取依頼をするメリットについて疑問を持つ人もいるでしょう。
何かしらのメリットがなければ商品は集まりません。
現在ロレックス認定中古時計プログラムが導入されている海外の老舗時計店ブヘラでは、新しい時計を販売する際に下取り品として顧客から時計を買い取っています。
もしくは査定された金額に加えて10%相当のディスカウント券を発行し次回購入時利用できるそうです。
買取価格が一般の中古店よりも低い場合、価格面でのメリットは限定的であると考えられます。
しかし車をメーカーで購入する際に車を下取りに出すことで交渉がスムーズに進むことがあるように、下取り時計が取引を円滑に進める可能性があります。
正規店では品薄状態が続いており、商品を購入できる機会が限られている現状を考慮すると下取りが何かしらメリットになる可能性も考えられます。
憶測ではありますが、取り置き不可商品の商談時、支払い額が不足していても手元にある時計を下取りに出して支払いに充てることができます。
次にいつ入荷し購入できるかどうか分からないという状況では所有している時計を下取りに出しても新しい時計が欲しいという人が一定数いるはずです。
一般の中古店で買取依頼をするメリットを上回ることもあるでしょう。
また売却と購入の手続きが一度にできるため、忙しい人にとっては手間が省ける利点も考えられます。
最終的には各自の状況や優先事項に応じて判断することが重要です。
ロレックスの認定中古時計はどこで購入できるのか
ロレックス認定中古時計を購入できる国
2022年12月時点での情報に基づいていますが6カ国のブヘラブティックでご利用いただけます。
ブヘラ(BUCHERER)はロレックスを超える130年の歴史を持つ名門宝飾時計店です。
2023年の夏にはロレックスがブヘラを買収したというニュースが話題となりました。
ロレックスの認定中古時計が販売されている国は以下の通りです。
初回の提供地域 スイス オーストリア ドイツ フランス デンマーク イギリス
その他のロレックス正規販売店においては2023年春頃から順次参加するとのことです。
※プレスリリース2022年12月時点
いつから日本でロレックス認定中古時計の購入ができる?
日本でのロレックス認定中古時計の導入は未定とされています。
認定中古時計プログラムが日本で利用可能になるかどうか、具体的な開始日についての詳細は公式発表やロレックスの正規店からの情報を待つ必要があります。
また日本での導入はハードルが高く、困難であるとも言われています。
日本では正規店と中古店が完全に分かれているという大きな課題が存在します。
日本国内で正規品を取り扱うロレックス代理店では、中古品に関するノウハウに乏しいのが現実です。
正規店には中古のロレックスを適切に査定して買い取る部門がなく、そのための人材も現時点では社内に存在していないことが挙げられます。
認定中古時計プログラムの実施においては査定と買い取り体制を確立することが不可欠です。
ロレックスの認定中古時計がもたらす影響と今後の予想
今後の展開
しかし認定中古時計プログラムに対するロレックスの戦略や計画は不透明なままです。
現時点では日本での具体的な導入時期についても未定です。
認定中古時計プログラムの導入は中古ロレックス市場の異常な価格高騰に対処しようとする意図も読み取れます。
二次流通においての異常な価格高騰は、正規店にとって良い影響もあれば悪い影響もあります。
自らが中古市場に参入することで「正規店のビジネスチャンスを増やす、長期的に価格相場の基準を作る」ことができます。
ロレックスが市場の安定化や価格の適正化に向けて戦略的な取り組みを検討することが考えられます。
予想される中古市場への影響
認定中古時計プログラムは中古時計市場に一瞬で大きな変化をもたらすわけではありません。
現在の中古時計市場はロレックスの動きが活発で市場在庫も膨大です。
一方でロレックス認定中古時計は正規アフターサービスによる整備が必要であり、容易に数を増やせません。
さらに価格面においても正規のメンテナンスによる費用が上乗せされるために、一般的な中古相場よりも約25%高くなる可能性があると報告されています。
現状、海外で取り扱っている認定中古時計は相場よりも高額です。
短期的には中古市場への影響は与えないでしょう。
しかし将来的にはロレックスの認定中古時計が中古市場のキーマンとなり、主役になるだろうと時計界隈では言われています。
正規でメンテナンスされ二年間の保証がついた認定中古時計が価格相場の基準となります。
異常な価格の上昇、または下落は起きにくくなるでしょう。
二次流通においての過度な価格の上昇を抑制して、適正な市場価格の形成が期待されます。
将来的には認定中古時計の価格が徐々に納得できるものになることが期待されていますが、具体的な展開は今後の市場動向次第と言えるでしょう。
時計市場は変動が激しいため、注視が必要です。
まとめ:ロレックスの認定中古時計とは
この記事ではロレックスの認定中古時計プログラムについて解説しました。
具体的な日本での開始時期は不透明ですが、将来的には何らかの形で日本でも導入される可能性があります。
ロレックスが中古市場に参入することで、中古市場の価格や品質に変化が生じる可能性があります。
今後のロレックスの展開に注目していきましょう。
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