ロレックスはなぜ人気があるのか?その理由と歴史を元正規店販売員が教えます
ロレックスは世界でも圧倒的な人気を誇る腕時計ブランドです。
昨今では目当ての時計を購入する為に正規店を巡る「ロレックスマラソン」という言葉もあります。
百貨店でも時計ブランドの中で群を抜いて売り上げがありました。
ロレックスの正規店では海外のお客様も多く来店していました。
しかし、なぜロレックスが世界的に人気があるのか、その理由を知らない人も多いと思います。
今回はロレックスの偉大な歴史と人気の理由をご紹介いたします。
ロレックスが人気の理由
ロレックスが人気の理由:精度の高さ
ロレックスは誕生当初からムーブメントの品質向上に力を注いできました。
1910年、スイスクロノメーター歩度公認検定局から腕時計として初のクロノメーター公式認定書を獲得しています。
現在ロレックスの時計についているグリーンのタグは、“Superlative Chronometer”(高精度クロノメーター)であることを意味しています。
2015年に導入されたこの特別なタグはCOSC(スイス公認クロノメーター)による公式認定はもちろんですが、さらにロレックスが自社内で行う一連の最終検査を通過したことを証明しています。
COSCが定める条件よりもさらに厳しいものであり、日差-2/+2秒以内の精度を保証します。
ケーシング後のムーブメントのクロノメーター精度および、防水性能、自動巻、パワーリザーブを独自に検査することにより、ロレックスは機械式腕時計の卓越性において新たな基準を打ち立てました。
グリーンのタグがついているすべてのロレックスの時計には5年間の国際保証が適用されます。
ロレックスが人気の理由:堅牢さ
ロレックスは頑丈で、何十年と長きに渡り使用することができます。
正規店でも修理を受け付けていましたが、何十年も前のロレックスをメンテナンスし大切に使っている方が沢山いらっしゃいました。
過酷な環境下でも性能が低下することなく長期に渡り使える時計を作るというブランドコンセプトのもと耐久性を重視した腕時計です。
険しい山への登頂や深海への潜水だけでなく、不意の衝撃を想定した試験もおこなっています。
独自のテスト装置で自動車の衝突時の数百倍の衝撃を与えますが、腕時計は完璧に機能します。
さらにダイバーズウォッチ以外のモデルにも100m防水が備わっており日常生活防水以上の高い防水性があります。
また全てのステンレスモデルには「904Lスチール」が使われており、高品質で傷が付きにくい仕様になっています。
貴金属に匹敵するほど耐蝕性に優れている為、航空宇宙などに使われている特殊な素材です。
加工が難しくコストもかかるので、通常時計には使用しませんがロレックスはこれを可能としました。
ロレックスが人気の理由:知名度の高さ
高級時計といえばロレックスというように世界で圧倒的な知名度があります。
パテックフィリップなど高価格帯の腕時計は他にもありますが、時計に詳しくない人にも認知度が高いブランドです。
創業者のハンスウィルスドルスは時計の信頼性を試すために、様々な歴史的挑戦にロレックスを同行させました。
時にはエベレストを登り、世界最高峰の登山にも耐えられる性能であることを証明しました。
人類の歴史に残るこの冒険から着想を得て、現代でも人気のエクスプローラーが誕生しました。
さらにロレックスの腕時計は、海洋の最深部として知られているマリアナ海溝へ0,916m(37,800フィート)の海底探検を成功した際、トリエステ号の外側に取り付けられました。
その際、ディープシー スペシャルの試作モデルは完璧に動いていました。
数多く偉業を成し遂げ、ロレックスはたびたび世界で話題になりました。
腕時計の信頼性を試すための実験でありながら、ロレックスの広告戦略でもあります。
このような画期的な宣伝方法でロレックスを世に広めました。
またゴルフ、ヨット、テニス、モータースポーツ、馬術大会などの名高いイベントで強い存在感を持つブランドです。
多くの権威あるトーナメントのスポンサーとなっており、ロレックスとスポーツのつながりは、品質、エレガンス、信頼性、そしてパイオニアの精神を表しています。
ロレックスが人気の理由:希少性
正規販売店では人気がありすぎて欲しくても入手困難なモデルがあります。
一定の入荷はありますが、欲しいお客様や転売目的の方が多いので人気モデルを正規店で購入することは簡単ではありません。
人気モデルを購入する為に正規店を巡る「ロレックスマラソン」「デイトナマラソン」といった言葉がSNS等で話題になっています
実際に毎日のように来店される方も多く、連日沢山の問い合わせがありました。
ロレックスでは人気が高く、よく売れるからといって大量生産することができません。
ブランド戦略もあるかもしれませんが、時計自体厳しい検査と職人の手によって作られている部分があるので生産を急激に増やすことができません。
需要が高いのに流通量が少なく、中古市場ではプレミア価格になるなどロレックスの希少価値は高まりました。
ロレックスが人気の理由:資産価値の高さ
高級ブランドでも一度着用したものなどは大幅に価値が下がるのが一般的です。
しかしロレックスは中古市場でも安定的な資産価値がある珍しいブランドです。
モデルによっては購入時よりも価格が上回ることがあり、資産や投資として購入する方もいます。
時計自体が非常に丈夫で、経年劣化したものや動かなくなった時計でもオーバーホールなどのメンテナンスで新品同様に使えることがあります。
その為中古市場でも人気があり新たなオーナーへと引き継いでいきます。
人気モデルでなくとも価値が全くの0になってしまうことはないので、ロレックスの資産価値は購入時の安心材料になります。
長きにわたり使用することができるという物としての資産価値と、不動の人気腕時計メーカーというブランドとしての資産価値があります。
ロレックスの人気を支えるその歴史
1905年、懐中時計が主流の時代に腕時計の将来性を見出した創業者「ハンス・ウィルスドルフ」が設立しました。
彼はブランドの名前について「数百の候補が挙がったが、これぞというものがなかった。しかしある朝、天啓のように『Rolex』という名前がひらめいた」と語りました。
ロレックスというロゴとしての美しさや滑らかな響きに人々は魅了されました。
ロレックスは初めに品質向上に力を注ぎ、腕時計として初のクロノメーターの認定を受けました。
さらに機械式腕時計の基盤となる3つの大きな発明をし、実力と信頼を確固たるものにしました。
- 世界初の防水腕時計「オイスター」
- 世界初の自動巻機構「パーペチュアル」
- ダイアルの小窓に日付を表示する初の自動巻腕時計「デイトジャスト」
これらの発明は時計業界に革新をもたらし、現在の機械式時計の基盤を創り上げました。
さらに実際に腕時計が使われる場所で、その技術性能のテストや調整、展示などを行い実力を証明しています。
スポーツや航空、モーターレース、探検などの分野は、無数の技術特性を確認する「生きた実験室」とロレックスは謳っています。
ロレックス・オイスターを着用してイギリス海峡横断チャレンジやエベレスト登頂、マリアナ海溝への潜水などの数々の逸話があります。
ロレックスは現在に至るまで、数々の特許取得など品質の向上に力を注いできましたがデザインは普遍的で流行に左右されません。
流行り廃りがなく長きにわたり愛用することができます。
進化と伝統のバランスがロレックスの人気の一つです。
ロレックスの人気モデル5選
ロレックスの人気モデル:①サブマリーナー
サブマリーナーは水深300m(1,000フィート)の防水性能を備えているダイバーズウォッチです。
回転式べゼルにより、ダイバーは潜水時間を読み取ることができます。
1953年の発表当時、水深100 m(330フィート)までの防水性能を備えた初のダイバーズウォッチでした。
これは1926年の世界初防水腕時計「オイスター」の発明に続く、2度目の飛躍的進歩でした。
サブマリーナーはダイバーズウォッチの基準を定め、時計製造において歴史的ターニングポイントとなりました。
1953年に登場以降、現在に至るまで機能の向上と進化を続けてきました。
初代モデルがパイオニアとなりその後の継承モデルも変わらないデザインでサブマリーナを受け継いでいます。
スポーツウォッチでありながらも洗練されたデザインは唯一無二の存在です。
さらにダイバーズウォッチにおいて視認性の高さは必要不可欠です。
三角形、円形、長方形といったシンプルなアワーマーカーと幅広の時分針は水中で瞬時に時間を読み取ることができます。
ダイアルの夜光塗料により暗闇でも視認性を高めます。
ブレスレットが誤って開くことを防ぐオイスターロッククラスプと、工具を使わずに長さを調節できるグランドロックエクステンションシステムを備え、ダイビングスーツの上からでも快適に装着することができます。
ロレックスの人気モデル:②デイトナ
コスモグラフ デイトナは、耐久レースを走るドライバーのためのツールとして開発されました。
ストップウォッチ機能で経過時間を計り、トレードマークであるタキメーターベゼルで平均速度を読み取ることができます。
20世紀初めにスピードとレースへの情熱が栄華を極めた場所、フロリダ州デイトナがその名の由来です。
誕生から50年以上経ってもなお、スポーツクロノグラフにおける比類なき存在として君臨しています。
ロレックスとモータースポーツの歴史かつ特別な絆は、2013年にロレックスがFormula 1®の世界にグローバルパートナー及びオフィシャルタイムピースとして参入したことによってより強まりました。
デイトナの特定モデルに採用されているハイテク セラミック製のモノブロック セラクロムベゼルには、耐蝕性と耐傷性に優れ、紫外線による影響を受けにくいなど多くの利点があります。
デイトナはロレックスの数あるモデルのなかでも特に人気があり、正規店で購入することが難しいと言われています。
資産価値が高いことから転売目的で購入される方も多く、販売側も取り扱いが難しいモデルでした。
ロレックスの人気モデル:③エクスプローラー1・2
エクスプローラーは探検家の為の腕時計です。
頑丈なケースと極限状況でも見やすいダイアルを搭載しています。
ロレックスは人類の偉大な冒険にいくつも携わってきました。
その一つに、世界最高峰の初登頂に成功したエベレスト遠征があります。
貴重な体験から得たフィードバックでエクスプローラーおよびエクスプローラーⅡといったモデルの開発につながっています。
エクスプローラーはロレックスの入門モデルとして購入する方が多くスポーツモデルでありながらシンプルな3針時計です。
エクスプローラーⅡは日付表示に加え、24時間ベゼルで昼夜の判別を可能としています。
洞窟や火山学者に愛用されており、より実用的なオプションを備えています。
ロレックスの人気モデル:④GMTマスター
GMTマスターⅡは、2つの異なるタイムゾーンを同時に表示することができます。
1955年に発表され、本来は世界を縦横無尽に飛び回るパイロット向けのナビゲーション機器として開発されました。
その機能性と堅牢性、特徴的なデザインは、広く世界を旅する人々を魅了してきました。
赤青ベゼルは“ペプシ” 青黒ベゼルは“バットマン”などとSNS等では言われています。
象徴的な2色の両方向回転ベゼルには、24時間目盛り入りセラクロムベゼルインサートが備わっています。
以前はアルミベゼルを採用しており、表面が傷つきやすく色褪せることがありました。
しかしセラクロムベゼルはロレックスが開発した革新的な方法によって製造され、耐傷性と耐蝕性に優れているため、年月を経ても鮮やかなカラーを保ちます。
ロレックスの人気モデル:⑤エアキング
オイスターパーペチュアルのエアキング表記が消えたことにより消滅したと思われていましたが、2016年のバーゼルワールドにて復活しました。
新たなエアキングは、初代ロレックスオイスターの航空世界における伝統を受け継ぐ時計です。
1933年、オイスターウォッチは高度10,000mの気候条件のもとで、初めてエベレストの上空を飛び越えたヒューストン・エクスペディションに同行しました。
また、1934 年にロンドンとメルボルンを記録的短時間で飛行した際に、機上でクロノメーターとして使用されたのもロレックス オイスターでした。
飛行史においてオイスターが果たした役割へのオマージュモデルとしてエキングは誕生しました。
文字盤はブラックのみで、アラビアインデックス、グリーンの「ROLEX」ロゴとセンターセコンド針が特徴的なモデルです。
定価はロレックスのスポーツモデルの中で二番目に安く、他のスポーツウォッチに比べると正規店でも比較的入手しやすいモデルでした。
ミルガウスと同じく、耐磁性能に優れており1,000ガウスに耐えられるケース設計です。
まとめ:ロレックスはなぜ人気があるのか?
偉大な歴史と長年培ってきた信頼が今のロレックスを創り上げてきました。
進化を続けながらも伝統を重視しており、ロレックスは唯一無二の存在となりました。
人気モデルに関しては中古や並行品店よりも、正規店での定価が最安値という逆転した状況が長らく続いています。
しかし正規店で人気モデルを購入することは難しく、かなりの時間を要することが多いです。
並行品店や中古市場では高額になっているので、購入するには躊躇してしまう金額かと思います。
腕時計本舗ではロレックスのレンタルも可能です。
近年は廃盤モデルも注目されています。
現行品から廃盤モデルまで人気モデルの多いロレックスですが、年代によって細やかな違いがあるので自分の好みの一本を探す楽しさもあります。
是非腕時計をレンタルして、ロレックスの偉大な歴史と重厚感を体験してみてはいかがでしょうか。
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