グランドセイコーの白樺(SLGH005・SLGA009)は入手困難?その評価を専門店が徹底調査
グランドセイコーから発売されているSLGH005とSLGA009。
どちらも日本の白樺をモチーフに作られている美しい腕時計です。「白樺」や「White Birch」の愛称で親しまれている両者。デザイン性・機能性ともに優れた腕時計ですが、大きな違いは「ムーブメント」です。他にも文字盤のデザインなど細かなところも似ていますが、両者を知ると違いが分かるでしょう。
この白樺モデルは、名実ともに優れた時計が欲しい方や美しい時計が欲しい方、美しい腕時計に興味のある方などにおすすめの1本です。
この記事では、グランドセイコー白樺についてご紹介していますので、ぜひ白樺の魅力を感じてみてくださいね。
今回紹介するグランドセイコー 白樺モデル
グランドセイコー SLGH005

価格:¥1,155,000(税込み)
グランドセイコー SLGA009

価格:¥1,155,000(税込み)
グランドセイコーの白樺モデルは入手困難なのか?
グランドセイコーの白樺モデルが入手困難といわれる理由
グランドセイコーの白樺モデルは、グランドセイコーの中でも非常に人気の高いモデルです。
元々、グランドセイコーの愛好家のなかで人気のデザインでしたが、それに火をつけたのが大谷翔平選手でした。
2023年のWBCでのヌートバー選手とのやりとりは、多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。
大谷選手から贈られたグランドセイコー白樺を、ヌートバー選手は今でも大事に使っているとのこと。
ここからグランドセイコー白樺の知名度は一気に高まり、新品はもちろん、中古市場でもかなりの高値で取引され、入手困難な腕時計のひとつとなりました。
現在はその沸騰した人気も落ち着いて来ましたが、それでも「グランドセイコー白樺」はGoogleで月間約12000回検索されていて、人々の興味や関心を引き続けていることが伺えます。
グランドセイコーの白樺モデルは本当に入手困難なのか?
グランドセイコー白樺モデルは、今でも入手困難なのでしょうか。
楽天市場での掲載ではすべて中古品ですが、SLGH005が約30本、SLGA009も約25本ほど出品されており、価格は80万円台後半から100万円前後といったところです。
公式サイトも、オンライン販売では新品の購入が可能な状態で、在庫は十分にだと思われます。
また、グランドセイコーを販売する各時計店でも、店舗、オンラインともに新品のグランドセイコー白樺の購入は可能なようです。
一時期の異常な「グランドセイコー白樺熱」は落ち着きを見せ、現在は正常な流通が行われていますので、以前に比べれば入手しやすくなっています。
グランドセイコー 白樺モデルのデザインの評価
SLGH005とSLGH009はグランドセイコースタジオのある雫石の白樺林をモチーフにデザインされています。
荘厳な白樺林がダイヤルに表現されており、白樺林の生命力や力強さが感じられるデザインといえるでしょう。
SLGH005とSLGH009は、信州・時の匠工房でつくられた「SBGA211」と同じ、「雪白パターン」と呼ばれる型打ちダイヤルを採用。
雪白パターンとは、真っ白な平面の雪面が乾いた空気の風に吹かれることで作られる、繊細な風紋を表現したものです。
型打ちを行うことで、他の腕時計にはない個性的なデザインとなっているグランドセイコーの白樺。
また、インデックスやリューズなど細かい部分までこだわって作られていて職人技です。
SLGH005は、彫の深い型打ちで白樺のリアルな木肌が表現されており、力強さを感じます。また、視認性も良いと評判です。
SLGH009は、SLGH005と比べると彫が浅く、文字盤のマットな白さがとても上品に感じられます。また、角度によっては型打ちが目立たないのでビジネスシーンでも使いやすいでしょう。
どちらも白樺の木肌や生命力、力強さを感じられる腕時計です。
グランドセイコー 白樺モデルの機能性の評価
SLGA005とSLGA009、どちらの腕時計も薄く、重さも2g程の違いしかありません。見た目や形の似ている両者の違いは「ムーブメント」です。
SLGH005は「Cal.9SA5」を搭載しています。
Cal.9SA5とは、グランドセイコーの60周年を記念し誕生したメカニカルムーブメントです。
約80時間にわたって駆動し、日差+8~-1秒の精度となっています。また、このムーブメントを使用することで薄型化に成功し、着け心地もよくなっています。
キャリバー9SA5は、高精度と長時間持続を実現するとともに、装着性の向上を目指し、ムーブメントの薄型化を図ることを最重要課題の一つとしていました。
試行錯誤の結果、「水平輪列構造」という新たな構造を開発することにより、それまでのキャリバーに比べて約0. 8mmの薄型化を実現。
厚さ11.7mmという、袖口にもきれいに収まる薄型ケースになっています。
ムーブメントの薄型化は、腕時計のデザインの幅を広げ、ムーブメントの厚さにとらわれにくい、豊富なバリエーションを生み出すことになりました。
また、Cal.9SA5は、9Sメカニカルムーブメント初の「瞬間日送り機構」を採用。
さらに、より美しく瞬時にカレンダーを切り替えながら、日付修正時の実用性を向上させる「可動式日送りつめ」も開発・搭載しています。
SLGA009は「Cal.9RA2」を搭載しています。
Cal.9RA2の特筆すべき点は、スプリングドライブの精度です。
一般的なスプリングドライブの精度は平均月差±15秒(日差±1秒相当)、パワーリザーブが約72時間(約3日間)。
比べてCal .9RA2は平均月差±10秒(日差±0.5秒相当)、パワーリザーブは約120時間(約5日間)と、その精度を格段に向上させています。
しかし、スプリングドライブは部品数が非常に多く、複雑な構造のため熟練の職人による手作業でないと組み上げることができず、どうしても腕時計が厚くなりがちに。
Cal.9RA2が従来のスプリングドライブと一線を画していのは、このデメリットがありながら従来のムーブメントに比べて0.8mmの薄型化にも成功している点です。
どちらもグランドセイコーが誇る最高の技術を搭載した腕時計。
また、両者ともシースルーバックになっており文字盤のデザインを邪魔することなく、美しい機械美を堪能することができます。
【SLGH005】グランドセイコーの白樺モデルの魅力
さて、このSLGH005に採用されているムーブメント「Cal.9SA5」は、岩手山の絶景を大いに感じることができる「グランドセイコースタジオ 雫」で製作されています。
つまり、このモデルの持つ白樺のイメージが、デザイン・インスピレーションそのもの。毎日、岩手山に思いを馳せる職人が作るからこそ、この唯一無二のモデルが誕生したのです。
そのこだわりの深さは、裏ぶたの「雫石川仕上げ」と呼ばれる特徴的な模様からも明らか。それにより、上記の大谷選手への贈呈にもスムーズに繋がっていったと言えるでしょう。
また、白樺と耳にしても、日本人であっても正確に想像できない方は意外に多いはず。しかし、このモデルの存在によって、白樺に対する親しみを感じる方はきっと増えたに違いありません。
Exterior | |
外装: | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス |
裏ぶた仕様: | シースルースクリューバック |
ガラス材質: | ボックス型サファイア |
コーティング: | 内面無反射コーティング |
ケースサイズ: | 横 40.0mm 縦 47.0mm 厚さ 11.7mm |
バンド幅: | 22mm |
中留: | ワンプッシュ三つ折れ方式 |
腕周り長さ(最長): | 190mm |
Movement | |
ムーブメント: | 9SA5 Instructions |
駆動方式: | メカニカル 自動巻(手巻つき) |
駆動期間: | 最大巻上時約80時間持続 |
静的精度: |
平均日差+5秒~-3秒
|
携帯精度: | 日差+8~-1秒 |
Functions | |
防水: | 日常生活用強化防水(10気圧) |
耐磁: | あり |
重量: | 178 g |
その他: |
|
【SLGA009】グランドセイコーの白樺モデルの魅力
上の岩手山の白樺をモチーフにしたSLGH005の緻密なデザインと比較すると、とてもスマートでしなやかな印象を持つのが、信州の白樺をモチーフにした、このSLGA009でしょう。
というのも、信州にはグランドセイコーのスプリングドライブを製造する「時の匠工房」があり、当工房の近くにも白樺の美しい林がそびえています。つまりは、このSLGA009もまた、信州のセイコー職人のインスピレーションを、そのまま体現した傑作なのです。
SLGH005の男性的なダイナミックな部分と対比するかのように、このSLGA009は女性的な静けさを見出すことができるモデル。雪原の艶かしい白さをハイライトした文字盤を見ても、やはり女性のユーザーに納得してもらえる至高のモデルとなっています。
Exterior | |
外装: | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス |
裏ぶた仕様: | シースルースクリューバック |
ガラス材質: | デュアルカーブサファイア |
コーティング: | 内面無反射コーティング |
ケースサイズ: | 横 40.0mm 縦 47.9mm 厚さ 11.8mm |
バンド幅: | 22mm |
中留: | ワンプッシュ三つ折れ方式 |
腕周り長さ(最長): | 196mm |
Movement | |
ムーブメント: | 9RA2 Instructions |
駆動方式: | スプリングドライブ 自動巻(手巻つき) |
駆動期間: | 最大巻上時約120時間(約5日間)持続 |
精度: | 平均月差±10秒(日差±0.5秒相当) |
Functions | |
防水: | 日常生活用強化防水(10気圧) |
耐磁: | あり |
重量: | 176 g |
その他: |
|
グランドセイコー 白樺モデルの美しさの秘訣「エボリューション9スタイル」とは
グランドセイコーには、そのデザインの規定となる「セイコースタイル」というものがあります。
2020年にそのデザイン性をさらに発展させ、使いやすさや美を追求した「エボリューション9スタイル」が誕生しました。
セイコーがこだわったのは、日本人の光の感じ方と表現。
陰陽が織りなすグラデーションを繊細に感じる日本人の、独自の感性をデザインに昇華させるべく追求しています。
また、エボリューション9スタイルは、デザイン文法の核となる3つのデザイン方針を新たに定めています。
- 「審美性の進化」…日本的な美意識や自然観を更に強く具現化
- 「視認性の進化」…針とインデックスをめりはりを高めた形状に進化させ、それぞれの識別性を向上
- 「装着性の進化」…重心を低く首を太くし、時計のホールド性を高め安定した装着感を与える
- 筋目を主体に鏡面と連ねた多面ケース
- 接線サイドライン
- 他の2倍以上の幅を持つ12時インデックス
- フラットダイヤル
- 多面カットを施した長い分針と明確に違う幅広の時針
- 深い溝を入れた多面的なダイヤカットインデックス
- 低重心なケース
- しっかりした厚さをもたせたブレスレット
- ケース径の1/2以上の幅を持つブレスレット。
グランドセイコー 白樺は大谷翔平も使用?
ジュネーブ時計グランプリのメンズウォッチ部門賞を獲得したグランドセイコーの白樺。この賞を受賞したことから、世界が認めた逸品であることが分かるでしょう。
日本の和を再現したかのような美しい白樺は、世界的にも注目されている1本といえますよね。
また、グランドセイコーは、過去に何度もグッドデザイン賞を受賞しています。SLGH005も例外ではなく、2021年にこの賞を獲得しています。
2021年度MLBア・リーグにてMVPを獲得した大谷翔平選手に、この偉業を称え、グランドセイコーから「SLGH005」が贈呈されました。
SLGH005と大谷選手は同じ岩手県出身。世界的にも評価されている大谷選手に世界的に人気のある白樺が贈呈されたのは必然ではないでしょうか。
また、この白樺「SLGH005」は大谷選手と一緒にWBCで活躍したヌートバー選手が欲しがった腕時計では?!と話題です。
グランドセイコー 白樺のリセールは?
グランドセイコーの「白樺モデル」は、2021年に発売されたSLGH005が最初のお目見えとなります。
メジャーリーガーの大谷翔平選手に贈呈されたという話題性もあり、発売当初は正規店でも中古市場でも入手困難が続きました。
2023年末現在では、グランドセイコー公式オンラインページでも普通に購入可能に。
それでも、元々在庫は少ないため、正規店で店頭に並んでいることは少ないようです。
【白樺モデルのリセールスが落ち着いた要因】
- メジャーリーガーの大谷翔平選手に贈呈されたという話題性や流行が落ち着いた
- 元々の定価が100万円越えと高価なため、他の高級腕時計への選択へ消費者が動いた
- 新作の白樺モデルが2022年に登場し、SLGH005と価格はさほど変わらず、ムーブメントの性能がアップしている
「話題性や流行の反動」で、中古、新品の市場での在庫が増えてきてしまっていることが、やはり白樺のリセールスが落ち着いた大きな原因のようです。
今現在のSLGH005の中古市場の買取価格は60万~70万円で、販売価格は新品95〜105万円、中古80〜95万円ほどです。
白樺モデルが登場したてのころは、買取価格が100万円を超えるという破格の相場でした。
初の白樺モデルSLGH005は、一時期のリセールスの高騰が落ち着き、買取りも多少の増減はありながら現在は落ち着いた価格帯になっています。
まとめ:グランドセイコーの白樺モデルは入手困難?
グランドセイコーの白樺モデルに関して様々な角度から紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
日本人の美意識に合うとても美しいモデルであり、あの大谷翔平選手も持っている(現在は大谷翔平選手からプレゼントされたヌートバー選手が愛用しているようです)のであれば、いつかは手にしてみるしかないでしょうか。
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