ロレックスはなぜ高い?元正規店販売員が徹底解説
ロレックス人気の一因は資産価値が高いということにあります。
他の腕時計ブランドと比較しても買取相場はダントツです。
何故ロレックスの買取相場はここまで高騰しているのでしょうか。
価格高騰の理由や人気モデルを元正規店販売員が徹底解説します。
ロレックスの時計が高騰している理由とは?
購入制限による需要の増加
2019年から始まった正規店での購入制限もロレックスの高騰を後押ししていると考えられます。
そもそも需要過多による転売や買い占めを抑制する為に始まったのが購入制限です。
同じモデルを5年間、他の対象モデルも1年間購入することができません。
この制限が更に商品の希少性を高め、二次流通の価格を押し上げる要因にもなりました。
転売や買い占めは容易ではなくなりましたが、それでも購入後一定数は二次流通へ流れていきます。
需要の高いロレックスを正規店で購入するのは容易ではありません。
手っ取り早く手に入れたい人は中古市場や並行輸入市場に注目するようになりました。
すると買取価格が上昇し、高額で取引されるようになります。
こうした高騰が続くと転売を考える人や手放して買い替えようとする人も増加します。
購入制限が転売や買い占めを抑制する一方で中古市場や輸入市場の需要を高め、価格の高騰を後押ししています。
コロナ禍による品薄
近年の大幅な価格高騰は新型コロナウイルスの影響もあるでしょう。
ロレックスは品質と信頼性、そしてブランドのステータス性から世界的に人気があり品薄状態が続いています。
廃盤による流通量の減少、年に一度の新作モデルの発表
二次流通市場における価格は既存モデルの廃番や新作モデルの発表に大きく影響されます。
ロレックスは年に一回新作の発表があり、それに伴い既存モデルが廃盤になることがあります。
生産終了と同時に希少性が高まり、二次流通市場の価格が上昇することがあります。
直近では2023年にミルガウスが廃盤となりました。
ミルガウスは販売当初から大幅な価格高騰は見られず、定価に近い金額で取引されていました。
廃盤となった現在は二次流通において定価越えの価格となっています。
また新作モデルは性能が向上し、高品質にするため製作コストが増加します。
2023年においてはロレックスのなかでも特段人気のあるコスモグラフデイトナがモデルチェンジしました。
デザインの印象に大きな変更点はありませんが細やかな部分に改良が加えられています。
23年間搭載されてきたロレックス初の自社製クロノグラフムーブメントCal.4130から4131へと進化し、耐磁性や耐久性が向上しました。
加えてロレックスは定期的に価格改定を行い、近年は値上げし続けています。
価格改定に伴い需要が抑えられるどころか、ロレックス人気は年々過熱しています。
このような状況下では市場価格がどんどん吊り上げられます。
ロレックスの高騰はブランドの需要、希少性、価格改定など、複数の要因が組み合わさって生じています。
ロレックスは年に一回、新作を発表し技術やデザインをアップデートしており、これがファンや愛好者を魅了し続けています。
その結果ブランドの人気は衰えず、二次流通市場での価格の高騰を招いています。
市場が安定している
ロレックスの時計が依然として高値で取引されているのはロレックスの市場が安定しており常に高い需要を維持していることが大きな要因です。
ロレックスは技術力や品質、ブランド力が非常に高く、日本だけでなく海外でも圧倒的な人気を誇ります。
需要が供給を上回っている状態が続いており、一部のモデルは正規店で購入するのは難しい状況が続いています。
この希少性が需要を高め価格を押し上げています。
また中国などの比較的新しい市場での需要が増加しているという点も関係しているでしょう。
2015年前後から中国の爆買いなどもあり、ロレックスは中国市場でも取引きが活発となりました。
これらの地域では経済が拡大し高級時計への需要が急増しています。
将来的にも需要が継続的に拡大することが予想され、これがロレックスの時計の価値を安定させています。
総じて、ロレックスが持つ高い技術力や品質、希少性、そして新興市場での高い需要が価格相場を支えていると言えます。
世界中で人気なロレックスの魅力とは?
出典:ロレックスについて - 持続可能な開発 – ロレックスのビジョン (rolex.com)
高品質な実用時計
ロレックスの人気を支える基盤となるものは高品質な実用時計であることです。
創業以来、時計製造において卓越性を追求し高い信頼性と精度を実現してきました。
ロレックスの時計は独自の技術と厳格な検査により、日差-2/+2秒以内の高い精度を保証しています。
また過酷な状況下での使用を想定し耐久性を追求した設計から、山の頂上や深海の底、さまざまな厳しい状況においても性能を発揮します。
ロレックスの時計は単なる時間計測器を超えて、真の実用時計としての地位を築いています。
普遍的なデザイン
ロレックスの魅力の一つは普遍的で流行に左右されない完成されたデザインです。
全シリーズを通して変わらないシンプルで高級感のあるデザインは、実用的かつ時代を超越した魅力を持っています。
年代によるわずかな変更や改良はあるものの、基本のデザインは変わっていません。
この安定感あるデザインは流行に左右されず長い間多くの人に愛されています。
ロレックスの特徴的なデザインは認知度が高く、知名度から高級時計としてのステータス性も備えています。
多くの人が憧れ、一度購入すれば他の時計はいらないと言う人も多いです。
特筆すべきは、基本的にロレックスは記念モデルやコラボモデルを披露しないこと。
一貫性のある‘‘ぶれないスタイル‘‘が他に類を見ないブランド力を築き上げました。
圧倒的な人気とブランド力
ロレックスは高級時計の代名詞であり世界的に圧倒的な知名度を誇ります。
ロレックスよりも高価格帯で世界三大時計と言われている「パテックフィリップ」「オーデマピゲ」「バシュロンコンスタンタン」を知らない人は多いと思いますが「ロレックス」と聞くと「高級時計」と連想する人は多いでしょう。
ブランドの信頼性を試すために行われた歴史的な挑戦や冒険、例えばエベレスト登山やマリアナ海溝の海底探検などが、ロレックスの広告戦略としても有名です。
このような冒険はロレックスの信頼性を試すだけでなく、世界にその名を轟かせる宣伝となりました。
また、ゴルフ、ヨット、テニス、モータースポーツ、馬術大会などの様々なスポーツイベントでの存在感も強く、スポーツとの結びつきからもブランドの品質、エレガンス、信頼性、パイオニアの精神をアピールしています。
その人気故に正規店で手に入れるのは容易ではなく「ロレックスマラソン」や「デイトナマラソン」と呼ばれる状況が生まれています。
中古市場でも資産価値が安定し、時計の購入を資産や投資として考える人も多いです。
ロレックスは着用したものでも安定した資産価値を保ち、その長寿命性から不動の人気を誇る高級腕時計ブランドとなっています。
セールや値引きが行われない
ロレックスはブランドの高級性と希少性を保つために、セールや値引きを採用していません。
この方針はブランドのプレステージを維持し、製品の価値を安定させる役割を果たしています。
価格が高騰しやすいロレックスの特徴
安定した資産価値を持つ‘‘ステンレスモデル‘‘価格が急騰することもある‘‘貴金属モデル‘‘
出典:ロレックス ウォッチ コレクション | ロレックス® (rolex.com)
ステンレスモデルは使い勝手が良く相対的に価格が抑えられているため、安定的な資産価値が期待されます。
人気モデルは二次流通において長らくプレミアム価格がついており、貴金属モデルの定価と変わらないくらいまで価格が高騰することがあります。
一方で金やプラチナなどの貴金属モデルは生産数が少ないので、需要が急増すると価格が急騰することがあります。
特にシークレットモデルは非常に高値で取引されています。
貴金属モデルは爆発的に価格が高騰するモデルと定価割れするようなモデルに分かれる傾向にあります。
2019年以降の価格上昇は特に貴金属モデルにおいて著しくなったと言えます。
コスモグラフデイトナに関しても2019年頃までは一部で予約が可能だった18金モデルに関しても現在は大幅に価格が高騰しています。
一部はステンレスモデルよりも正規店において入手困難となっているようです。
ロレックス不動の人気‘‘プロフェッショナルモデル‘‘
ロレックスのモデルは大きく分けてクラシックモデルとプロフェッショナルモデルの二種類に分かれます。
プロフェッショナルモデルは特殊な環境での使用を想定して作られています。
デイトナはレーシング、サブマリーナーはダイビング、GMTマスターは国際的な旅行者向けなど、それぞれが特有の機能や性能を提供しています。
プロフェッショナルモデルは高い機能性や堅牢性、洗練されたデザインから、特に人気が高く価値が落ちにくいと言われています。
2020年以前からも店頭に陳列されていることはなく、運が良ければバックヤードから現れるというような状況でした。
現在はステンレスモデルだけでなく貴金属モデルも入手困難となっており、二次流通では価格が高騰しています。
ロレックスの長い歴史の中で確立された信頼性やステータス性を兼ね備えており、高い需要が続いています。
希少価値が高い幻の‘‘ヴィンテージロレックス‘‘
ヴィンテージロレックスは時を経て価格が高騰することがあります。
朝の情報番組「ラヴィット」で、さらば青春の光の森田さんがヴィンテージロレックスを購入するエピソードがありました。
憧れの1957年製のエクスプローラーを手に入れるため、森田さんはロレックス専門店(クオーク)へ向かいました。
店内では数々の希少なロレックスが陳列されており、店舗スタッフが提案した65年製GMTマスター(約538万円)、58年製のサブマリーナー(約2,280万円)、そして66年製エクスプローラー「トロピカル」(約698万円)など、ヴィンテージロレックスが次々と紹介されました。
特に「トロピカル」は紫外線や湿気によって変色した文字盤が美しく、その逸品性に森田さんは心を奪われました。
悩みに悩んだ末、当初から欲しかった1957年製ロレックスエクスプローラー(約488万円)を購入することを決断しました。
ヴィンテージロレックスは年月を経た傷や色褪せが独自の風格をもたらし、時計愛好家にとっては興味深い一品になることがあります。
その希少性から価格が高騰することがあります。
価格が高騰しやすいロレックスの人気シリーズ
デイトナ
出典:ロレックス コスモグラフ デイトナ ウォッチ:オイスタースチール - m126500ln-0001 (rolex.com)
コスモグラフ デイトナは耐久レース用のスポーツクロノグラフとして開発されました。
経過時間を計るストップウォッチ機能やタキメーターベゼルによる平均速度の読み取りが特徴です。
デイトナの名前はスピードとレースに情熱のあるフロリダ州デイトナに由来します。
デイトナの特定モデルにはハイテク セラミック製のモノブロック セラクロムベゼルが採用されており、耐蝕性や耐傷性に優れた特徴があります。
デイトナは人気が高く入手が難しいモデルの一つとして知られています。
ステンレス素材以外にもゴールド素材やオイスターフレックスのブレスレットなどがあります。
新品・中古、そして生産終了モデルに関しても高額で取引されているロレックスの不動の人気ナンバーワンシリーズです。
旧作のデイトナ 116500LNはその中でも著しい価格上昇が見受けられます。
特にホワイト文字盤はロレックスのラインナップの中でもっとも人気のあるモデルです。
2020年には一時的に相場が下落しましたがピーク時には買取価格約500万円という高値に達しました。
2023年にはフルモデルチェンジが行われ生産終了となりましたが、現在は買取価格450万円~470万円で依然として高値をキープしています。
ステンレスモデルだけでなくゴールド素材やプラチナモデルも大幅な価格高騰が見られます。
※2023年11月現在の買取相場を参照
GMTマスター
出典:ロレックス GMTマスター Ⅱ ウォッチ:オイスタースチール - m126710blnr-0002 (rolex.com)
GMTマスターⅡは2つの異なるタイムゾーンを同時に表示することができる腕時計です。
1955年にパイロット向けのナビゲーション機器として登場し、機能性と魅力的なデザインから人気を博しました。
赤青ベゼルは「ペプシ」、青黒ベゼルは「バットマン」としても知られています。
2022年には左利きモデルの緑黒べセルの通称「レフティ」が登場しました。
ブレスレットは2展開でオイスターとジュビリーブレスレットがあります。
特徴的な両方向回転ベゼルには24時間目盛り入りのセラクロムベゼルインサートが使用されており、耐傷性と耐蝕性に優れた素材で作られています。
126710BLRO(ペプシ)の相場は発売初期から2020年までの間、約185万円前後で推移していました。
2023年11月時点での相場は約300万円となっており急速に高騰しています。
オイスターブレスとジュビリーブレスの2つのバリエーションが存在しますが、現在はジュビリーブレスの方が相場が高くなっています。
126710BLNR(バッドマン)は約250万、126720VTNR(レフティ)は約280万円となっており、ペプシの買取相場が高い傾向にあります。
※2023年11月現在の買取相場を参照
サブマリーナー
出典:ロレックス サブマリーナー デイト ウォッチ:オイスタースチール - m126610ln-0001 (rolex.com)
サブマリーナーは水深300mの防水性能を持つダイバーズウォッチで、回転式ベゼルによって潜水時間を読み取ることができます。
1953年に登場以降、現在に至るまで機能の向上と進化を続けてきました。
初代モデルがパイオニアとなりその後の継承モデルも変わらないデザインを受け継いでいます。
スポーツウォッチでありながらも洗練されたデザインは唯一無二の存在です。
現行モデルである126610LNは2020年に登場し、発売初期は買取価格も高水準で推移していましたが一時的には落ち着きを見せました。
しかし現在は再び高騰の兆候が見られます。
同じく2020年に登場したサブマリーナーグリーンベゼル126610LVも発売当初から高いプレミア価格がつき、相場が不安定でした。
現在の相場が126610LNが約200万円、126610LVが約250万円であることからも、高価格が続いていることが窺えます。
旧モデルの116610LNにも根強い人気があり、約150万円と安定的なリセールバリューを維持しています。
※2023年11月現在の買取相場を参照
オイスター パーペチュアル
出典:ロレックス オイスター パーペチュアル 41 ウォッチ:オイスタースチール - m124300-0008 (rolex.com)
時刻表示機能のみのシンプルなシリーズです。
ロレックスの入門編として購入する方や、仕事用などセカンド時計として購入する方も多く使い勝手の良いモデルです。
現行モデルでは個性的な色の文字盤が発表されるなどシンプルでありながら遊び心もあります。
ターコイズブルーや2023年の新作セレブレーション文字盤は人気が高く入手困難と言われています。
ロレックスマラソンをする人も増えているシリーズです。
2019年頃までは買取価格も定価割れが常識でしたが、話題性のあるダイアルカラーの登場により大幅な価格の高騰が見られます。
生産終了となった124300ターコイズブルーは約340万円の買取実績、セレブレーションは約320万円となっており、定価が100万円以内ということを考えると価格の高騰は凄まじいです。
※2023年11月現在の買取相場を参照
ロレックスは今後価値が下がることはあるのか
ロレックスは定価が年々上昇しているにも関わらず、高い需要が続いています。
人気の過熱から品薄となり正規店での購入が難しくなると、二次流通市場で価格の高騰を引き起こします。
高額であっても手に入れたいという人は一定数いて、この需要が価格を支えています。
一時的な価格変動はあるかもしれませんが、ロレックスの高い需要が続く限りは価値は下がらないと思われます。
人気モデルの供給が急増すれば価格の高騰も収束する可能性がありますが、ブランディングの観点からすると大幅な増産には慎重な姿勢を取るでしょう。
また経済や政治的な出来事がロレックスの価格に影響を与える可能性もあります。
しかしロレックスは優れたブランディングやマーケティングを有しており、高級腕時計市場での強固な地位を確立しています。
今後も需要に対応した調整が行われるでしょう。
2022年春に一部モデルで価格が下落した例もありますが、これは一時的なもので依然として高水準です。
価格の変動は将来的にも予測が難しいですが、ロレックスの人気と需要が維持される限り大幅な価格下落は考えにくいでしょう。
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ロレックスを買取依頼する際に確認するポイントとは?
価格推移の確認
ロレックスの価格相場は他の腕時計ブランドに比べても安定して高価格帯を維持していますが、様々な要因で変動する可能性があります。
買取依頼する場合は価格改定や新作発表前後など価格相場が上昇している時期を選ぶと良いでしょう。
このタイミングでの買取はロレックスの自体の価値が高まり買取需要が増加する可能性があります。
また新作発表に伴い、廃盤になったモデルは相場が上がることがあります。
買取業者のウェブサイトや出品されている時計の価格を確認し自分が持っているモデルの価格推移を把握することが重要です。
付属品の有無
付属品の有無はロレックスの買取査定において非常に重要です。
保証書が揃っていると査定額にプラスの影響を与えます。
また時計を保管する際の安全性や美観に影響する外箱と内箱が揃っていると良いでしょう。
付属品が揃っていることで真贋が確認しやすくなり査定価格に影響を与えます。
信頼できる業者の選択
実績があり口コミや評判が良い買取業者を選ぶと安心です。
信頼性のある業者は査定時に丁寧な説明を行います。
ロレックスに特化した専門の査定員がいるか確認しましょう。
高級時計に対する知識が豊富な査定員がいると正確な査定が期待できます。
まとめ:ロレックスはなぜ高い?価格高騰の理由
今回はロレックスの高騰の理由や人気モデルの価格推移を解説させていただきました。
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